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 前回のコラムで今年の連載は終わりだとばかり思っていたのだけれど、担当
のハットリ氏から「もう一回あります」とのメール。最後だと思ったから「よ
いお年を」とか書いちゃったのになぁ。恥ずかしいなぁ。んもう。

 さて、先日、息子が熱を出して学校を早退した。息子を学校から連れ帰り布
団に押し込み、コンビニで買い物をしていたら近所の奥さんに遭遇。
 「息子が風邪ひいちゃって、今、ウチで寝てるんですよ」「あら大変、お大
事に」などと喋っていたら、レジのおばさんが「時々肉まんを買いにきてくだ
さる坊ちゃんですよね」と話しかけてきた。レジのおばさんからも「お大事に」
とか言ってもらって恐縮しつつ帰ったわけだが、家に着いてから頭の上に「?」
マークが点滅。
 レジのおばさんは、どうして私と息子が親子だとわかったんだ???
 確かに私はしょっちゅうコンビニに行く。ほぼ毎日行く。肉まんをこよなく
愛する息子も週に一度くらいコンビニに買いにいく。しかし、二人揃ってコン
ビニに行くことは滅多にないのである。それに、そのおばさんだって24時間レ
ジにいるわけではないのだ。おそるべしレジのおばさん!
 あなどりがたしセブンイレブン!
 そういえば、たまに行く近所のクリーニング店のオヤジさんもたいしたもの
である。半年ぶりくらいに行っても、決して名前を聞かれることはない。こち
らが名乗らずともスラスラと伝票に名前を書き入れる。半年ぶりだよ? 半年
にいっぺんしか会わない人の名前なんか、普通覚えてられないって。私なんて
さっき名刺貰ったばっかりの人の名前すらすぐに忘れちゃうっていうのに。
 コンビニのレジのおばさんもクリーニング店のオヤジさんも、客商売のプロ
というべきであろう。素晴らしい。
 しかし、だ。
 店員に顔を覚えられると少々居心地が悪いこともある。
 毎日のようにコンビニに行って菓子や雑誌を買うわけだが、顔見知りの店員
がレジにいる時は、買いたいモノがあってもつい我慢してしまうことがある。
いや、こっちは客だ。別に盗みを働いてるわけじゃない。ちゃんと代金を支払
っている。なに恥じることはないんだけど、でも、ねえ。「あら、あのお客さ
ん、また漫画買ってるわよ」「またあんなにお菓子ばっかり買って…だからあ
んなにぶくぶく太るのよ」とか思われる気がして、なんとなく躊躇してしまう
のだ。
 特に、何を読んでいるかが他人様にバレるのはかなり恥ずかしい。
 テレビ情報誌や文春・新潮、さらに「ドカベン」「美味しんぼ」「レタスク
ラブ」「週刊ベースボール」「ダカーポ」「BUBUKA」…と硬軟取り混ぜて、じ
ゃなくって、軟らかいモノばかり手当たり次第に買い込んでいるもので、レジ
に知った顔がいると困るのだ。
 自意識過剰? 肝っ玉が小さい? そうかもしれない。
 まさか、レジのおばさんたちが「ほら、また美味しんぼおばさんが来たわよ、
今日は何買うのかしらね」とか「ドカベン、今日はあんまん買ってたわよ」と
か噂してるわけもないし、万が一噂されてたとしても、そんなこと気にする必
要もない。でも、買い物する時くらいは他人に気をつかいたくないではないか。
 そんなわけで、本を買う時はAmazonや楽天など、インターネットの書店を利
用することが多い。どんなバカバカしい本だろうが脈絡のないチョイスだろう
が、通販なら恥ずかしさを感じずに済む。
 先日、CNET Japanに「富士通がイオン八千代緑が丘ショッピングセンターに、
サービスロボット“enon”を派遣し実験運用を行う」という記事が載っていた。
このロボは「来店者に気づき所定の場所を案内したり、胴体部のスペースを利
用して荷物を運んだり、音声、液晶モニターを利用して来店者に必要な情報を
提供」するものらしいが、そのうち、コンビニのレジにもロボが立つ日が来る
かもしれない。そうなったら、ヘアヌード満載の週刊誌だろうがいかにも太り
そうなジャンクフードだろうが、コンビニで堂々と購入できるようになるに違
いない。
 無論、対面販売のメリットも充分わかっているつもりだが、ロボコンビニの
登場を待っている私のようなシャイな客も少なくないと思うよ。

 というわけで、今度こそこれが今年最後。一年間ご愛読ありがとうございま
した。では、よいお年を!

富士通など、「接客ロボ」を店員としてイオンに「派遣」(CNET Japan)