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「趣味は読書。」といえば、斎藤美奈子の好エッセイ集だが、私も小さい頃
からの読書好き。今でも履歴書の趣味欄には読書と書く。本当は「ネットサー
フィンで世界中のミョーな商品を探して楽しむ」だの「NHK教育テレビの子ど
も向け番組鑑賞(主にキレイなお姉さん中心)」だのといった趣味もあるのだ
けれど、とりあえず無難な線を狙って「読書」と書いておく。

軽いもの、軟らかいものばかりではあるが、本を読むのは今でも大好き。昔
「活字中毒」というフレーズが流行したが、今どき活字本なんて滅多にお目に
かからないので、正確には「印刷された文字中毒」とでも言おうか。新聞でも
雑誌でも辞書でもいい。読むものがなければ電話帳でも……というのは大袈裟
だけれど、それくらい好き。
ところで、「巷で話題になっている本/ベストセラー本は敬遠する」という
のは、読書好きの者たちにしばしば見られる特徴のひとつであろう。
私もただベストセラー本だというだけで、「失楽園」も「冷静と情熱のあい
だ」も「白い犬とワルツを」も「世界の中心で、愛をさけぶ」も読まない。
うっかりベストセラー本を読んでしまったりすると、「しまった!」とまで思
う。別に誰に笑われるわけでもないのに恥ずかしい。
そんな私だが、最近、またしても「しまった!」という買い物をやらかして
しまった。
上大岡トメ「キッパリ! たった5分間で自分を変える方法」(幻冬舎)。
通販サイトのAmazonは1500円以上買えば送料が無料になるのだが、欲しい本
の定価は1500円以下。というわけで何かもう1冊……という時に、ふと目にと
まったのがこの本だった。表紙のイラストが好みだったこと、タイトルが目を
引いたこと、上大岡トメという名前をどこかで見かけた覚えがあること(確か
面白かったよなこの人)。そこで、中身をじっくり検討することなく購入決
定。「気になった本は衝動買いする」というのも読書好きの特徴のひとつなの
である。
ところが、我が家に届いた本には「117万部突破!」という帯が誇らしげに
巻いてあったのだ。しまった、ものすごく売れてる本じゃないか。
しかも、である。この本は「Shes.net」というサイトの「5分で自己改
革!!」という連載ページをまとめたものだという。なんだ、ネットで読めたの
かよう。朝から晩までパソコンの前に座り込んでネット三昧の日々を送ってい
るというのに、ああ、わざわざ本を買っちゃった。っていうか、これほど売れ
てる本だということを知らずに買ってしまったのが、なにかもう、心の底から
恥ずかしい。誰にということでなく、自分に対して恥ずかしい。
たとえば、「電車男」(新潮社)。もともと掲示板サイト「2ちゃんねる」
のログをまとめたものである。
ネットで簡単に読めるんだし、非ネットユーザには読みづらいと思われる2
ちゃんねる独特のフレーズがふんだんに盛り込まれたログをそのまま本にして
いるんだし、こんなの一体誰が買うんだろう?……と思っていたら、ビックリ
するほどの大ヒット。ドラマ化、映画化、舞台化、果てはコントの題材になっ
たりパロディAVまで出るという一大ブームを巻き起こしたのだった。
ただ、ひとつ言えるのは、携帯で10万字も書いたという小説で文学賞を受賞
した高校生が登場する昨今ではあるけれど、まだまだパソコンや携帯の文章は
読みにくいということ。加齢と共に視力が衰えつつある昭和生まれにはキビシ
イ。いくらネットで読めるといっても、やっぱり本の方が読みやすい。
ブラウザーの文字サイズを大きくすれば視力関係は解決するわけだし、デジ
タルな文章には「検索が容易」という大いなるメリットがある。こればっかり
は紙媒体は逆立ちしてもかなわない。
しかし、本のページを適当にパラパラめくるという感覚は、デジタルでは再
現できまい。短編集のページをめくって「このあたりを読んでみようかな~」
とか、レシピ本をパラパラとやって「今日の夕飯どれにしようかな~」とか。
そう、ポイントは「適当」である。
さらに、「読みさしの本を裏返す」という紙媒体ならではの少々行儀の悪い
技もある。

もちろんパソコンにだって栞の機能はあるけれど、裏返すのなら思い立った
時にワンタッチだ。そして、もう一度裏返せば再びすぐに読み始めることがで
きる。待ち時間ゼロ。

ただし、これをやると本が傷んでしまうのと、ハイハイする赤ん坊や部屋を
横切るネコにひっくり返されてどこまで読んだかわからなくなる…というアク
シデントもまれに起こるのが玉にキズ。他人様にはあまりお勧めできません。

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