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 Serial ATAにはNative Command Queuingや3Gbps転送以外にも、多くの新機能が搭載されている。今回はそうした細かな新機能にスポットを当てよう。

起動時の電力消費を抑える Staggered Spin-up

 「Staggered Spin-up」は、起動時の電源にかかる負荷を分散する機能だ。HDDのモーターは、回転開始の瞬間が最も多くの電流を必要とする。複数台のHDDを使う場合、それぞれが立ち上がるタイミングを変えることでピーク電流を時間的に分散させる。

 この機能は、Serial ATA Revision 1.0aの時点でオプションとして折り込み済みだった。Serial ATAのデータ線に埋め込まれたクロック信号で同期が取れた状態のことを「Phy Ready」と呼ぶ。この状態になって初めてモーターの回転を開始することが決められていた。つまり、ホスト側がPhy Readyにする瞬間を調整すれば、各HDDの回転開始時間を制御できるわけだ。Serial ATAのHDDは電源ケーブルだけをつないでもモーターが回転しないが、これは、HDDがPhy Readyの状態にならないためだ。

 しかし、PCメーカーなどから、1秒でも早く起動するために、即座に回転を開始したい、という要求が出てきた。回転が安定するまでに十数秒かかるのだから、その間にPhyの初期化を済ませればよい、という発想だ。そこで、Revision 2.5では、電源コネクターのPin-11に特別な意味を持たせた。「Disable Staggered Spin-up(DSS)」と命名されている。

 電源投入時にHDDは電源コネクターのPin-11を調べ、もしグラウンドに接続されていたらStaggered Spin-upは不要と判断し、即座にモーターを回し始める。グラウンドに接続されていなければ、従来通りPhy Readyを待って回転を開始する。この機能はオプション扱いだが、各社のほとんどのHDDが対応しているようだ。

 ちなみにSerial ATA Revision 2.5では、Pin-11にはLEDを光らせる「Activity LED」信号も規定してある。パラレルATAの「DASP-」信号と似ているが、DASP-はLEDを光らせるに必要な十数mAを引き込めるのに対し、Pin-11はたった300μAしか引き込めない。LEDの駆動にはトランジスターなどを介する必要がある。