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 雑誌やパーツショップの店頭で、Serial ATAのHDDのインターフェース速度を「3Gbps」と表示しているのを目にする。少し前まで1.5Gbpsであったものが2倍速になったことになる。「Serial ATA II」や「SATA II」という表示もよく見かけるようになった。これらの表記を見ると、「3Gbps」=「Serial ATA II」として扱っているように思える。

 この表記方法は、全く間違っているわけではないが、正確な表現でもない。ここで規格名と仕様の関係を整理しておこう(図1)。

 SATA IIというのはSerial ATAの規格を討議している組織(Working Group)の名称だった。2003年にリリースされた規格の初版「Serial ATA / High Speed Serialized AT Attachment Revision 1.0a」に対して各種の拡張と修正を行ったグループで、3Gbpsの転送速度はその中で策定されたオプションの1つでしかない。

 Working Groupの名称は二世代目ということでSATA IIと名付けられたが、仕様書の版数「Revision 2.0」に似ているため、この組織名が規格名と混同されるようになった。そこで、Working Groupの名称を再び変更することとなった。新たな名称は「SATA-IO」だ。SATA-IOの「IO」はInput-Outputの「IO」ではなく、International Organizationの略だという。これはこれで、また混乱を引き起こしそうな名称だ。

 仕様書の版数も、最新ではRevision 2.5となっている。SATA 2.0やSATA 1.0aは、既に過去の規格というわけだ。これ以上の混乱を防ぐためにも今後は、「3GbpsのSerial ATA」や「Serial ATA Revision 2.5によれば…」などといった表現を心がけたい。

 Revision 1.0a以降で新たに策定された規格の中で、最も広く知れわたっているのが3Gbpsのインターフェース速度だ。だが、このほかにもNCQ(Native Command Queuing)や、Staggered Spin-up、eSATA、SSC(Spread Spectrum Clocking)など、最新の技術が多く盛り込まれている。以降、今回と次回の2回に分けて、それぞれの機能を掘り下げて解説しよう。