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 先日、任天堂の最新ゲーム機「Wii」を購入しました。人気商品なので店頭在庫はほとんど見かけないのですが、通りすがりの家電量販店が入荷していたので衝動買いしてしまいました。Wiiの外箱を抱えて帰宅すると、妻からの鋭い視線が……。実は、Wiiよりも高価なソニー・コンピュータエンタテインメント「PLAYSTATIONS 3」(以下PS3)を最近買ったばかりだったのです。

 ゲーム本体とテレビの接続を終えて、Wiiのタイトル「Wii Sports」でテニスゲームを始めると、妻が付属の棒状リモコンに興味を示しました。このリモコンはジャイロセンサーを搭載していて、振って操作することができます。例えば、上記のテニスゲームでは、リモコンを振ると、画面内のテニスプレーヤーも同じ動作をします。従来の家庭用ゲーム機では味わえなかった感覚です。しばらくすると、妻が対戦を申し出てきました。これまで妻はゲームに全く興味を示さなかったので正直驚きました。

 PS3のリモコンも、実はジャイロセンサーを搭載しています。例えば、縦方向に回転させると飛行機の操縦桿、左右に振ると自動車のハンドル、などリモコンの動きで画面上にさまざまな動作を伝えることができるのです。ただし、PS3のリモコンは、端を両手で持って操作する形状です。Wiiリモコンのように、ラケットを振ったり、ボールを投げたりする操作は難しいと思われます。実際、PS3ではリモコンの機能を生かしたタイトルは、Wiiに比べて少ないのです。

 妻はPS3では遊びません。確かにPS3(およびPS2)のゲームは映像がきれいですが、一見しただけでは内容が分からないので、その時点で興味を失うそうです。その点、Wiiのゲーム(Wii Sportsだけですが)は、テニスやゴルフ、野球と明快。競技によっては、ルールそのものも簡略化されています。こうした間口の広さが、女性を受け入れやすい下地になっています。

 各種の販売データを見ても、Wiiの優勢は明らかです。PS3は性能や機能面は優秀なのですが、ハードウエアの能力だけでユーザーが驚く時代は終わっています。PS3が支持を受けるには、これまでと違ったスタンスで取り組む必要があるでしょう。

 ゲーム機とは異なりますが、一時期米国で話題になった自動2輪車「セグウェイ」も、ジャイロ技術を応用しています。走行中の安定性が高く、倒れにくいのが特徴です。「宇宙船?」「タイムマシン?」など、登場前はマスコミに大きく取り上げられたセグウェイですが、実際に登場すると多くの人々を失望させました。公道を走る乗り物としては速度が遅く(最高時速が20キロメートルほど)、サイズも大きかったからです。自転車やスクーターの方がずっと実用的なのですから、当然の反応でしょう。いかに優れた機能や技術を搭載しても、消費者が求めるものを見誤れば、評価は下がってしまう典型例と言えるのではないでしょうか。