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 世界的に動画投稿サイトが話題になっているが、韓国ではもう古い話題になってしまっている。韓国のネットユーザーは、元々プライバシーを堂々とネットに公開してコミュニケーションするのが好きでSNSやBlogに日常の写真や動画をよく公開してきた。そういう意味で動画というコンテンツは特に新しいということもない。

 しかも、最近では何度も動画コンテンツを利用した詐欺というか、人をだますような事件があった。例えば、とてもかわいい女の子が彼氏にプレゼントするため撮ったラブレター代わりの動画として、あちこちでコピーされ出回っていたものが、数日後、実は新人タレントが話題になるのが目的でわざと素人のふりして流したものだったという話。このほかにも、犯罪現場を撮影したとテレビのニュースにまで登場した動画が実は演技だった、なんていうのもあった。ちょっと動画に対して、飽きのムードが漂っていたところに、こういうことが何度も続き、UCC(User Created Contents)の面白さが半減してしまった。

 この頃は一般ユーザーが投稿する動画よりネットショッピングの動画の方がはるかに面白い。UCCに対抗するSCC(Seller-created content)、これが結構いける。商品の使い方やショッピングモールの特徴を宣伝するため、お笑いのコント仕立てに仕上げた動画のことなのだが、社長と社員が企画・撮影・出演までこなしている。普通のビデオカメラで撮ってウェブに掲載しているので画質もそれほどよくないし、画面も揺れたりするが、これがとても新鮮で動画を見ているうちに衝動買いしたくなる。

 元祖SCCは韓国で最も有名な「ジュインジャンドットコム」だ。商品の説明をテキストや写真はもちろん、実演を兼ねた動画も掲載している。ギフト商品やパーティー用品を専門に扱うショップなので、「このおもちゃを買うとパーティーでこうやって主役になれる」、とか、「このカップを彼女にプレゼントして効果的にハートをキャッチするためのアドバイス」などの演技とトークで笑いを取る。物を売る前に笑わせることで、「面白い動画がある」という口コミが生まれ、本業のショッピングサイト自体の認知度も上がった。

 ネットでの生放送もやっているので、顧客とチャットを通して質問に答えるかたちで商品を紹介する試みもある。この試みはユーザーにとってもより分りやすいし、何より、ショップの社長が顔を見せて案内してくれるから信頼できる。ウェブカメラと照明購入費13万ウォンを投資して月1億ウォンの売上を達成したという。今やマスコミに引っ張りだこの人気ショップだ。

 家具・インテリア小物ショップの「ファニーホームショッピング」もSCC作戦が成功し、サイトオープンからわずか1カ月で軌道にのった。ドラマ仕立ての商品紹介動画がネット上のあちこちに出回り、宣伝費を全くかけず有名サイトになったのだ。ここは、毎週2本ずつ動画を制作している。このほかにも、連日、テレビや新聞では、SCCを利用して認知度を上げ、売上高が2倍になった、3倍になったというショッピングサイトのことが紹介されている。

 この動きは個人向けのサービスにも広がっている。オークションサイトでは、販売者が動画を登録できるツールを追加している。既存大手ショッピングサイトも毎日1時間は生放送で、顧客と画像チャットをしながら商品を紹介するコーナーを設け、SCCを強化している。また逆にユーザーが「商品を購入してからこのように使ってます」という動画を掲載するとマイレージがもらえるイベントも年中開かれている。これはメーカー側にとっても、商品開発の参考になるし、ユーザーが何を知りたがっているのかも把握できる。

 ショッピングモール制作ソリューション会社も動画制作サービスとトラフィック支援に乗り出している。これからはSCC動画のないショッピングサイトはあり得ない、とまで言われるほどだ。ウェブカメラさえあれば一人でもできるのがSCC動画だといっても、まず何をどう見せてしゃべったらいいのか恥ずかしいやら難しいやらでチャレンジできないショップ運営者も多い。

 ネットマーケティングアドバイザーのキム・ユンジョン氏は「SCCは制作費もかからないしアイデアだけあればいいと言われるが、動画は波及力が物凄いので慎重になる必要もある。最初から商品ごとに動画を制作するのは大変なので、まずはショップ運営者の自己紹介や今週の目玉商品から始めてみるのもいい。面白く作りたいという意欲ばかりでは逆効果」と話している。

 テレホンショッピングのわざとらしい演技よりは(詰まった下水管をポンプしただけで大げさな歓声をあげ拍手喝さいするのも面白いけど)をショップ主人の一生懸命なコント動画の方が魅力あるのは確かだ。日本でもショップ主人が親しげに自己紹介するネットショッピングが多いが、自分で制作した動画で笑いをとってみるのはいかが?吉本興業にスカウトされたりして、二度おいしいかも?