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 前年比120%では足りない。年末の落ち込みを取り戻すには140%だ」。Vista発売を前に、ある大型店の幹部は販売担当者にハッパをかけた。2006年末、本来は稼ぎ時であるはずの年末商戦でパソコン販売台数は前年比80%前後と低迷。期待のVista対応パソコンが発売となれば、買い控えていた購買者が戻ってくるはずだった。

【Vistaの発売後も販売台数の大幅な向上は見られず】
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 現実は期待通りにいかなかった。販売店のデータを集計しているBCNによると2007年2月の販売台数は101.2%と前年並み。3月に入っても「前年と比べて若干上回る程度」(郊外型量販店の商品管理担当)という状態が続いている。販売台数の前年割れは回避できたのだから、それなりのVista効果はあったといえる。それでも、この程度では買い控えで落ち込んだ分を取り戻したとはいえない、というのが販売の現場での本音だ。

 「店舗を訪れる顧客は多いが、購入までには至っていない。まだ様子見をしているようだ」と、ある量販店の仕入れ担当者は嘆く。Windows 95や98が発売となったときには、パソコン購入は初めてという初心者層が大量に購入した。パソコンの普及が一巡した現在では、新OSが出たからといって飛びつく購買者は少ない。業界関係者の間では、「新しいOSは安定するまで待ってから買おう」という意識が購買者に浸透したという見方が強い。

 1月30日深夜、東京・秋葉原など電気街で開催されたWindows Vistaの発売イベントでは、自作ユーザーを中心に、いち早く新OSを試したいという人々が列を作った。ただ、こうした勢いは限定的だった。パソコン工房やTWOTOPなど自作パーツ店を運営するアロシステムの大野三規社長は、ショップオリジナルパソコンや自作パーツについて「発売直後は、瞬間的に前年を大きく上回ったが、以降は前年並みに収束した」と語る。