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 『日経パソコン』2007年4月23日号で、迷惑メール対策の特集を担当しました。その際、いくつかのプロバイダーに迷惑メール対策について聞いてみたのですが、少し驚きが……。迷惑メールが社会問題になってから、すでに数年が経過。ほとんどのプロバイダーが、迷惑メールを大きな問題として扱い、対処しているのかと思いきや、そうともいえないのです。

 もちろん、「迷惑メール対策に全く取り組んでいない」というプロバイダーはありません。どのプロバイダーでも、迷惑メールを遮断するためのフィルターを利用してはいるのですが、その取り組みに温度差があるのです。

 フィルターで、迷惑メール対策に高い効果を発揮するのは、迷惑メールを自動的に学習していく「学習型フィルター」。しかし、プロバイダーによっては、ユーザーが手作業で送信者やキーワードを入力する「ルール型」しか提供していません。

 学習型フィルターの導入には、それなりのコストがかかります。「負担増は避けたい」というプロバイダーも気持ちも分かりますが、迷惑メールの現状を鑑みると、ユーザーに作業を任せるルール型のフィルターだけでいいのでしょうか。筆者は、ルール型だけだと、永遠に迷惑メールは減らないと考えています。一生懸命、迷惑メール対策に取り組んでいるユーザーが気の毒になります。

 迷惑メールに対する姿勢にも違いが見られます。あるプロバイダーを取材していたときのこと。システムの担当者がポツリと「システムに負荷がかからないのなら、迷惑メールに目くじらを立てることもないかな、と思っています」と漏らしました。サーバーなどのシステムに負荷がかかるのであれば、その対策を業務としてきちんと認めてもらえ、費用も捻出できるが、それほどの負荷でなければ難しい、というのです。確かに、プロバイダーにとっては遅延なくメールが届くことこそが重要。迷惑メールであっても、システムに負荷がかからないのならコストはかけたくない、というのが会社としての本音なのでしょう。

 利益への貢献度が見えにくいコストをどこまで認めて、ユーザーの満足度を高めようとするのか――迷惑メール対策から、プロバイダーのユーザーに対する考え方の違いを垣間見ることができます。