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 「ライフハック」という言葉をご存じでしょうか?

 「ハック」というと、コンピューターのハッカーのように、セキュリティを破ったり、システムを破壊したりするイメージがありますが、本当の意味は、こんがらがった難しい問題をさくっと解決してしまうこと。だから、天才ハッカーというような言い方があるように、ハックに優れているハッカーというのは、称号でもあるわけです。

 そのハックを仕事や人生に応用したものがライフハック。こんがらがった仕事をさくっと解決するための仕事のコツや習慣のことです。このコーナーでは、仕事に、そして人生にすぐに役に立つライフハックをご紹介していきます。まずはじめに、メールの話。

 メールが一般的に使われるようになって、本当に便利になりました。電話で話すと時間をとるような込み入った話も、メールで送ればすぐですし、なにより相手の時間を気にせずに送ることができる。受け取った方も時間のあるときに返事をする。これで仕事の効率が格段に上がった、かのように思うかもしれませんが、逆に下がっているケースが見られます。来たメールにすぐ返信をしなければ気が済まない、いわば「メール中毒」のような状態になっているのが、それです。

 もちろん、すぐに返信が必要なメールもたくさんあります。相手を安心させるためにも、まず取り急ぎ「メールを受け取りましたよ」という返信をすることもあるでしょう。しかし、すべてのメールについて、即答をしつづけていこうとすると、本来の業務がまったく進まなくなります。そこで、「返信が必要なメール」を選別して返信するという知恵が必要になってきます。この知恵の部分が、ライフハックです。

 この基準ですが、ひとことで言えば、「今、返事をすることによって、のちのち面倒なことが少なくなるメール」です。たとえば、ファイルが送られてきて、それに「受け取りました。取り急ぎ、ご報告まで。」と返事をする。これは、あとあと「メール届きましたか?」「はい、届いています。ご連絡せずにすみません」「いえいえ、届いていたなら安心です」というような無駄なメールのやりとりを回避するためのもの。だからこれは、すぐに返事をしておくといいわけです。そのほか、アポイントの連絡なども同様。メール自体はひとこと「了解です!」ですむのに、それを放置していたが故に、いろいろと面倒なことが起こりうる。こうした「問題発生源」となりうるメールは、早めに処理しておくといい。

 逆に、「今、返事をすることによって、かえって面倒なことが増える」という不思議なメールもあります。それは、説明不足のメールによって誤解が生じて、さらにその誤解がもとにまた何度もメールをやりとりしないといけないケース。

 たとえば、提案の依頼に対して、提案書を添付で返信する場合。たいていの場合、提案に対してあらかじめ伝えておかないといけないさまざまな注意点や懸念事項などがあります。それを説明もせずに、提案書を「ぽん」と簡単に送ってしまうと、相手から「提案書見たけど、これってなに?」なんて返信がきたりする。そうなると泥沼です。「えーっと、それは○○です」「最初の話と違うんじゃない?」「それにはかくかくしかじかの事情があって」「それを先に言ってくれないと・・・・・・」というようなやりとり。

 メールを送る相手が疑問に思ってしまうような要素(この場合、提案書)を含むメールというのは、よほど慎重に説明しておかないと、このような不毛なメールの応酬が発生します。だから、この手のメールは、十二分に説明をほどこして返信した方がいいでしょう。そうすると、誤解もなくなり、不毛なやりとりをしなくてすむわけです。

 逆の立場で、こうした説明不足のメールを受け取ったときには、返信までに一呼吸おいたほうがベターです。メールよりも電話での確認のほうが早く済む場合がほとんどです。

 いずれのケースも、問題の発生源を絶つことがポイント。これを心がけるだけでメールのやりとりは減り、結果としてものごとがシンプルに進んでいくのです。