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 目が覚めたら左手首のじん帯が伸びていた。

 たぶん起き上がろうとして手をついた時に捻ったのだと思う。その瞬間は寝ぼけながらも「いてて…」と感じたものの、大したこともなかったので放っておいたのだが、徐々に手首に違和感が。日を追うごとに違和感は強まり、そのうち強烈に痛くなってきた。仕方ないので近所の病院へ行ったところ、手首を一目見るなり「だいぶ腫れてるね」。そして、手首をむぎゅうと掴まれ「痛い?」。

 ぎゃああ。ああ、痛いさ。痛いとも。

 剥離骨折の疑いもあるということでレントゲンも撮ったが、こちらはシロ。湿布を貼られ、手首に添え木を当てられ、包帯でぐるぐる巻きにされた我が左手首。「しばらくは左手首を使わないように」とのこと。
 まあ、目が覚めたら虫になっていたよりだいぶマシだが、とにかく不便である。
 せっかくのゴールデンウィークをぐるぐる巻きで過ごし、ようやく痛みが消えた今日このごろ。皆様、いかがお過ごしですか。

 さて、いきなり話は変わるが、幼い頃の記憶というのは、誠にふわふわと不確かなモノである。

 私は幼い頃、着物を着せてもらうと頼まれもしないのにチントンシャンと自己流の日本舞踊を踊ったり、コドモ用の小さな扇子を膝の前に置いて座って「えー、毎度馬鹿馬鹿しいお笑いを一席」などと噺家の真似をして、オトナ達をおおいに楽しませた記憶がある。
 あるいは、幼稚園の学芸会で私のクラスは「雀のお宿」というお遊戯をしたのだが、一列になって進む振付のところで前の男の子がボヤボヤしていたため、先生に習った通りに踊れなくて非常に悔しかった……という記憶。

 だが、これらの記憶はもしかしたらアルバムに貼ってあった写真を何度も見た結果、上書きされたもののような気もする。
 「よく転んでおろしたてのタイツの膝に穴を開けるので困った」とか「トマトさえ与えておけば静かにしていた」とか、母親や伯母達に繰り返し聞かされた幼い頃の思い出話が、私自身の記憶としてすり替わっているような場合もある。伯母達に「嬉しそうにトマトをチュッチュチュッチュ吸ってた」などと言われると、なるほど、そんなことをしていたかもしれないなーと思うわけだが、コレは私が1歳の頃の話。

 かの文豪三島由紀夫は自らが生まれた瞬間の記憶があったというが、私ごとき凡人には赤ん坊の頃の記憶はたぶんなかろう。ちなみに私の名前は漢字で書くと「由紀子」。私の父が三島由紀夫の文体が好きだったことと、この字面がキレイだと思って付けた名前らしい。まさかその後切腹しちゃうとは思わなかった…とのこと。

 テレビ番組に関する記憶も同様に不確かだ。
 この時代のコドモ達のアイドルといえば、ブーフーウーやゴジラやガメラやウルトラ兄弟やジャイアントロボや宇宙少年ソランなどなど、まあ、数え上げればキリがないが、たいていはリアルタイムで見た記憶だけでなく、再放送や「懐かしの××」的な番組や雑誌等の特集で記憶が補完されている。

 だが、リアルタイムで見た記憶のみが今も私の脳裏に生き続けていたキャラがいる。

 「バハハーイ」の挨拶でおなじみのケロヨンである。
 ちなみに薬局の前に立っているカエルではない。アレはコルゲンのカエルだ。銭湯や温泉にあった黄色い洗面器のことでもない。頭痛にケロリン。コレも違うぞ。

 ケロヨンというのは、当時「木馬座アワー」というタイトルで放送されていた人形劇の主人公のカエルである。
 私の覚えているケロヨンに関する記憶は、「木馬座アワー」という番組名、作っていたのは影絵の藤城清治、ケロヨンが車に乗っていたこと、「右見て左見てもう一度右を見て」という歌詞、幼稚園の時に日本武道館に実演ショーを見にいったこと、「モリアキコ」というちょっとボーイッシュな雰囲気のMCのお姉さんに憧れていたこと……と、この程度である。

 ケロヨンの声や憧れのアキコお姉さんの顔をハッキリと思い出すことはできないし、ケロヨン以外のキャラクターの記憶もない。
 再放送などで記憶が補完されなかった結果がこの有様である。むぅ、大好きだったのになあ。しょせんは幼稚園児。っていうか、単に私がボンヤリした子だっただけか。

 それでも、インターネットというのはありがたいもので、サーチするとあれこれ資料がヒットする。
 幼い私が夢中になっていた「木馬座アワー」は1966年11月から1970年3月にオンエアされていたらしい。
 藤城清治のオフィシャルサイトによると、1967年から4年の間、日本武道館でゴールデンウィークとクリスマスと正月に「木馬座ケロヨンショー」を上演していたとのこと。これ、これ、これだよ、私が見たのは。

 当時、いろいろ発売されていたケロヨンのグッズ、残念ながらネット上 ではあまり発見できなかったが、こちらの「ケロヨン飛行機を…探せ!」で幾つか見ることができる。また、雑誌「まんだらけZENBU」No.29でケロヨン特集が組まれてい るらしい。

 さて、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」や「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」がヒットして、今、巷ではちょっとした昭和ブーム到来。このブームのおかげか、我らがケロヨンのDVD「藤城清治 ケロヨンのぼうけん」発売決定のニュースが! ほぼ40年ぶりに動くケロヨンと再会できる!
 武道館で声を揃えて「バハハーイ!」と叫んでいたかつてのコドモ達よ、6月27日を刮目して待て!

■変更履歴
記事中、リンクとしてご紹介した「ケロヨン飛行機を…探せ!」の表記を変更しました。関係各位にご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。(PCオンライン編集部)[2007/05/18 21:00]