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 近藤科学の2足歩行ロボット「KHR」シリーズの発売3周年を記念する競技大会「KHR 3rd アニバーサリー」が2007年6月2日、3日、東京・秋葉原のUDXビルで開催された。KHRシリーズのオーナーが自慢の愛機を持ち寄り、格闘戦やサッカーといった競技を繰り広げた。2005年、2006年の大会と比べて各ロボットの動きは格段に向上していた。決勝戦ともなると、作り込んできた動作データの成果と、練習で培ったオーナーの操縦技能が十分に発揮された熱い試合が見られた。筆者も、自前で購入した機体で2日間のイベントに参戦。参加者の立場から実体験した様子をレポートする。

同じ自作キットとは思えないほどバラエティーに富んでいる

 KHRシリーズとは、ホビーメーカーの近藤科学が販売する2足歩行ロボットの組み立てキット。2006年6月にはサーボモーターの能力を高めた新型「KHR-2HV」が発売された。筆者はKHR-2HVの購入を決意したきっかけは、2006年11月の「アキバロボット運動会2006」。このイベントで開催されたサッカー大会で、KHR-2HVの運動能力の高さに魅せられてしまったのだ。

 2006年末に購入して、しばらくは組み立てる余裕がなく、押入れの中に放置していたが、日経パソコン3月12日号でロボット特集を担当したことを機に組み上げた。ここで作った機体に純正オプションのジャイロセンサーと無線操縦セットを追加し、「KHR 3rd アニバーサリー」に臨んだのである。筆者は従来機種のKHR-1で大会に参加したこともあり、参加は2年ぶりだ。

 1日目はロボット同士の格闘戦によるトーナメントが開催された。まずはロボットの資格審査から。今回の大会はKHRシリーズを対象としているため、自作フレームを搭載するなど大掛かりな改造はできない。愛機の「まつもとKHR」は純正オプションを追加した程度だったので、問題なく審査を通過した。

 本選のトーナメントに参加できるのは16台のみ。全34台の参加ロボットから絞り込むための予選として、距離が2mの徒競走でタイムを競う競技が始まった。2回測定し、上位16台が本選に進める。ただまっすぐ進めばいいだけなのだが、それが難しい。2足歩行ロボットのキットを作ると、歩く動作がどれだけ複雑な動作なのかを思い知る。微妙な足の動きで右や左に向きが変わってしまうし、バランスを崩せば転倒してしまう。

 予選では、横歩きで進む機体が多く見られた。足裏の接地面積は、前後方向よりも横方向に長いため、横歩きの方が安定して速く移動できるからだ。本当は前へ進むのがカッコイイとされているのだが、バランス対策のため、「まつもとKHR」も横歩きで進むことにした。

予選は2mの徒競走。横歩きで移動するロボットが多かった

 予選競技の順番を待つ間は、ロボットを手に抱えてコースの前に並ぶ。この瞬間、なぜか極度に緊張してきた。横歩きの命令を出すために、コントローラーの左ボタンを押せばいいだけ、と頭で復唱しても無駄。自分の気弱さにあきれるほどだ。いよいよ自分の番となり、快調にスタートを切ったのだが、進行方向がずれて機体が右隣のコースに入り込んだ。するとコースアウトで失格とのこと。不心得なことに、相手コースに入ると失格というルールを知らなかったのである。ショックを受けたが、2回目の挑戦では、体の向きを変えながらなんとかゴールした。

 各機体の動きを見ていると、どれも素早い動きをしていた。本選には進めないだろうとますます不安になったが「残っているみたいですよ」と声をかけられると、胃の中の異物がすっきりと流れ出したような気持ちになった。「まつもとKHR」の記録は10秒7で8位。1位は飯島 祐基氏作成の「赤ちゃん」で、5秒88という好タイムだった。昨年大会では30秒を切った機体は20台だけだったが、今年は21台が20秒を切った。

 次ページでは本戦の様子、決勝戦は動画付きでレポートする