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 日経パソコン2007年6月11日号に掲載した記事「夏モデル搭載CPUの実力を診断」では、夏商戦向けのデスクトップパソコンが採用するCPUを取り寄せて実施した、性能テストの結果を紹介しました。詳しくは誌面をご覧いただくとして、今回はこのテストを通して気付いた、夏モデルパソコンの3つのトレンドをお伝えしたいと思います。

 1つ目は、夏モデルが搭載するCPUの種類の多さです。下の表をご覧ください。これは、夏モデルの中でNEC、ソニー、富士通といった主要3社のデスクトップパソコン19台が搭載しているCPUの内訳を示したものです。インテルCPUの「Core 2 Duo E4300」が6台、同「Core 2 Duo E6300」が5台と集中しているものの、全体では実に7種類のCPUに分かれます。

NEC、ソニー、富士通が発売した夏モデルのデスクトップパソコン19台が搭載するCPUの内訳

 どのCPUを選択するかで快適度に大きな違いが出てきます。特にこれから夏モデルの購入を検討されている方には、CPUコアを2つ持つデュアルコアCPUの購入を強くお薦めします。今回、複数の作業を同時に実行したテストでは、CPUコアを1つしか持たないシングルコアCPUに比べて、実際に約2倍の処理性能を示しました。なお、メモリーはほぼすべての製品が1GBを搭載しており選択の余地はありません。

 2つ目は、夏モデルでAMD製のCPUを搭載する製品はほとんどないことです。ちなみに、上の表に並んだCPUはすべてインテル製のCPUです。AMD製は一部の液晶一体型パソコンが「モバイルSempron」シリーズを採用しているくらいです。

 AMDのデスクトップパソコン向けの主力CPUは「Athlon 64 X2」シリーズです。今回のテストでは、インテルの主力CPU「Core 2 Duo」シリーズと同価格帯のAthlon 64 X2も参考としてテストしました。結果はCore 2 Duoよりも高い性能を示しています。実はAthlon 64 X2はここ半年で大幅に価格が下がっているため、価格性能比で見るとお買い得度が高くなっているのです。通販パソコンや自作パソコンであればこのCPUを選ぶことができます。

 3つ目は、Windows XPに比べてWindows Vistaでは同じ作業をしても処理に時間がかかるということです。下の表をご覧ください。これはマザーボード、CPU、メモリー、ハードディスクなど、動作環境を全く同じ状態にしたままOSのみWindows XPからWindows Vistaに変更して2種類のテストを実行した結果です。テスト3は100枚のデジカメ写真に補正効果やリサイズをかけた作業、テスト4はExcelで図形の描画や再計算処理などの各種作業にかかった時間を計測したものです。

マザーボード、CPU、メモリー、ハードディスクなど、全く同じ動作環境でOSのみWindows XPからWindows Vistaに変更して2種類のテストを実行。テスト3は100枚のデジカメ写真に補正効果やリサイズをかけた作業、テスト4はExcelで図形の描画や再計算処理などの各種作業にかかった時間を計測した

 見ての通り、全く同じ動作環境でもOSをWindows XPからWindows Vistaに変更しただけで、同様の作業が3~4割遅くなっています。XPの時代は特に処理時間が気にならなかった作業でも、Vista時代は遅いと感じることが増えそうです。

 ひところは「インターネットとメールができれば、パソコンはローエンド機種でも問題ない」と考える人が多かったようです。しかし、インターネットの世界においても、動画投稿サイト「YouTube」や、3D地図表示ソフト「Google Earth」に代表されるように、Webサイトが提供するサービスの負荷は高まる一方です。さらに、「Vista環境で快適に…」と考えると、相応の性能を持った機種を選ぶ必要がありそうです。