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 エクセルの使い方がわからないとき、皆さんはどうするだろう。付属のマニュアル冊子を読む?そんなはずはないだろう。そもそも現在のエクセルに、使い方についてのマニュアルなど付属していない。手元にあるエクセル2002の単体版を見ても、付属するのは「セットアップガイド」と「オフィス基本用語集」だけだ。

 しかしながら、昔のエクセルには、分厚いマニュアルが何冊も付属していた。1994年に発売された「エクセル5.0」の場合、総ページ数792ページ、厚さ4センチを超す立派なマニュアルが同梱され、これとは別に「VBA」のマニュアルまで付属していたものだ。高機能なエクセルをすべて解説するのだから、マニュアルが膨れ上がるのは当然のこと。だとすれば、こうした分厚いマニュアルは今、どこへ消えたのか。

マニュアルの“厚さ”が、ソフトのステータスに

 エクセルやワードのように、店頭で売られているソフトを「パッケージソフト」と呼ぶ。箱に入れられた(パッケージされた)ソフトという意味だ。現在ほどパソコンが身近ではなかった頃、この箱にはさまざまなモノが詰め込まれていた。実際のプログラムは数枚のフロッピーディスクに収められていて、一緒に分厚いマニュアルが同梱されるのが普通だった。

 数枚のフロッピーディスクに、10万円近い金額[注]を支払うのはどうも──。そんなユーザーもいたのだろう。ソフトメーカーとしては、立派なマニュアルを同梱して箱を巨大化することで、“高額なイメージ”を作り上げようとしたのかもしれない。箱の中に発泡スチロールを入れて、箱だけを大きく見せたソフトすらあった。

[注]10万円近い金額
「ロータス1-2-3」などの人気ソフトは、なぜか揃って9万8000円だった。中にはデータベースソフトの草分け「dBASE」のように数十万円を超すソフトもあった

 そんなマニュアルも、コストの軽減や、製作時間の短縮などを理由に、次第に姿を消していく。代わりに登場したのが、パソコンの画面上で操作方法を説明する「ヘルプ」機能である。分厚い“紙”のマニュアルとは異なり、「ヘルプ」はまったく場所を取らないし、たくさんの情報を表示できる。キーワードを入力して検索が可能という便利さもあり、ソフト解説のほとんどは、今や「ヘルプ」に任されるようになっている。

 ところが、ことエクセルに関して言えば、現在の「ヘルプ」が過去のマニュアルに勝っているとは言い切れない部分がある。古くからエクセルを使っているユーザーの中には、「昔の分厚いマニュアルこそ、本当の“バイブル”だ」と語る人が少なくないのだ。

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