PR

 先日、デジカメのメモリーカードを購入するために量販店に足を運びました。売り場を見たところ、販売メーカー数の多いSDカードが、当然のように他のメモリーカードよりも目立っていました。価格的にも優位。形状でも、SDカード、miniSDカード、MicroSDカードと豊富なラインアップを揃え、xDピクチャーカード、メモリースティックの追随を許していません。

 最近では、非SDカード陣営であった富士フイルムが、SDカードも利用できるデジカメを発売するなど、独自デジカメメーカーが方向転換する動きも出ています。ここしばらくは、SDカードがメモリーカードのデファクトスタンダードの地位を占めるのはほぼ間違いないでしょう。

 SDカード、xDピクチャーカード、メモリースティックが三つ巴の戦いを繰り広げていたころ、メモリーカードの将来性について取材したことがあります。非SDカード陣営のメーカーに、汎用性が高そうなSDカードをどうして採用しないのかと尋ねたところ、「カメラメーカーにとってメモリーカードはフイルムと同じ。オープンなことが重要ではない。だから独自方式を採用した」という答えが返ってきました。当時、ソニーも「オンラインはIEEE1394、オフラインはメモリースティック」という独自路線を強行に押し進めていました。

 特定のユーザーをターゲットとし、オープンである必要がなければ、独自性を生かした戦略は効果的です。独自路線を突き進み、成功すれば、非常にうまみのあるビジネスになります。しかし、パソコン業界が重んじる「オープン」という観点から見ると、「何かが違う」との違和感を感じた覚えたのも事実です。オープンな環境では、独自性は一転して「使いにくい」という負の効果を生み出します。

 店頭でxDピクチャーカードやメモリースティックを見るたび、当時、取材で感じた違和感を思い出します。
(仙田 明広=日経パソコン)

左がSDカード、中がxDピクチャーカード、右がメモリースティック