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書体を変えたくないなら

 「フォントがないために文書内容を読めない」といったトラブルを回避するうえでは便利な「フォントの置換」機能だが、中には書体が変わってしまうと使い勝手の悪くなる文書もあるだろう。

 例えば、掲示板に貼るポスターのたぐい。Windows標準の「MS ゴシック」では字の線が細すぎて、インパクトに欠ける。あるいは、宴会や社内旅行への参加を呼びかけるチラシは楽しい雰囲気を盛り上げるためにポップな書体を使いたい。もちろん、プリントアウトしたものを配布する分には関係ないが、本社で作成した文書ファイルを支社や営業所に送って、それぞれの場所で印刷したものを貼付・配布するといったケースを考えると、どこの支社や営業所のパソコンでもオリジナル通りに印刷できるようにしたい。

 そんなときのために、Wordには文書内で使われているフォントをその文書内に埋め込んでしまう*3という「離れ業」が用意されている。その方法は、文書を保存する際に「名前を付けて保存」ダイアログの「ツール」ボタンをクリックして、メニューから「保存オプション」を選択する(図4の1番目の画像)。「保存オプション」のダイアログにある「TrueTypeフォントを埋め込む」をチェックしてから、保存を実行する(図4の2番目)。全く同じ内容の「保存」タブが「オプション」ダイアログの中にあるので、あらかじめこちらで設定しておいてもよい。

 この文書を別のパソコンで開こうとすると、「この文書には読み取り専用のフォントが埋め込まれているため編集できません。」という警告が出る*4(図4の3番目)が、そのまま開いてみると、この文書内の文字列に対して設定されていた書体がすべてオリジナル通りに表示される(図4の4番目)。

図4 Wordで文書保存する際(1番目の画像)、「保存オプション」のダイアログを呼び出して、「TrueTypeフォントを埋め込む」設定をONにしてから保存を実行する(同2番目)。この文書は読み取り専用となる(同3番目)が、文書中で使われているフォントがインストールされていないパソコンで開いても、きちんとオリジナル通りの書体で表示される(同4番目)

 警告通り、この文書は読み取り専用となっていて、一切、文章の追加や変更・書式の変更はできないので、内容の変更を伴う文書には向かないが、前述した例のように、本社で作成した文書ファイルを支社や営業所に送って、そのまま印刷だけしてもらおうといったケースであれば、これでも十分だろう。

 では、そういったフォントを埋め込む機能が用意されていないアプリケーションの場合はどうすればよいだろうか。

 お手軽でいて確実な効果が期待できるのは、文章をフォントを埋め込んだ形式のPDFファイルに変換する方法だ。

*3 フォントを...埋め込んでしまう
ただし、どんなフォントでも文書に埋め込めるワケではない。フォントを作成したメーカーが文書への埋め込みを許可していない場合は埋め込まれない。これは、次ページで紹介するPDF文書にフォントを埋め込む機能についても同様だ。

*4 警告が出る
この警告が出るのは、文書内で使われているフォントのうち、パソコンにインストールされていないフォントが一つでもある場合だ。文書内で使われているフォントがすべてインストールされているパソコンで開いた場合はとくに警告は出ないし、開いた文書は普通に編集できる。