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 たいした機能を持たないソフトウエアを、セキュリティ対策やユーティリティなどの機能を備えているとかたって売りつける手口が、ネット上で流行しています。そういったソフトウエアは、「詐欺的なソフト」や「偽ソフト」などと呼ばれ、それらを売りつける手口は、「偽ソフトの押し売り」などと呼びます。

 偽ソフトの押し売りでは、さまざまなWebサイトの広告スペースに「あなたのパソコンはウイルスに感染してます」や「パソコンにエラーが見つかりました」といった偽の警告メッセージを表示して、ユーザーを偽ソフトの販売サイトに誘導。偽ソフトをインストールさせて、その代金を支払わせようとします。

 以前は英語圏のユーザーを狙ったものがほとんどでしたが、2006年春以降、日本のユーザーを狙ったと思われる押し売りが相次いで見つかっています。偽の警告メッセージを日本語で表示するだけではなく、インストールさせる偽ソフトのインタフェースも日本語にしています。

 最近、興味深い「偽の警告メッセージ」を知人から教えてもらいました。「職業や夫婦関係が危うくなる」と脅かす警告メッセージです(下図)。

 日本語が不自然ですが、「職業や夫婦関係が危うくなるのを回避したければ、DriveCleanerを使って、アダルトサイトにアクセスした痕跡を消去すべき」と言いたいのでしょう。DriveCleanerは、偽ソフトの代表格の一つ。仕事柄、偽ソフトに接することが多い記者には、この名前が出た段階で「押し売り」であることが分かります。

 ただ、一般のユーザーには当然なじみがないでしょう。このポップアップが表示された知人は、とても驚いたそうです。アダルトサイトにアクセスした覚えがあるからではありません。怪しげなこのポップアップを、スパイウエアが表示していると思ったからです。何かの拍子で、スパイウエアに感染してしまったと思ったのです。

 もちろん、このポップアップは通常のポップアップで、スパイウエアに感染していなくても表示されます。知人の心配は杞憂でした。ただ、慌てた知人はネット上の情報をいろいろ調べ、有名なスパイウエア対策ソフトの一つ「Spybot S&D」を入手して、実行したそうです。すると、出るわ、出るわ。十数個のスパイウエアが検出されたそうです。その知人にとっては、パソコンをきれいにするよいきっかけになったようです。

 ちなみに、その知人によると、上記のポップアップが表示されたのは、グリーティングカードの送信サービスを提供する、ある海外のサイトだったそうです。セキュリティベンダーなどの情報によれば、グリーティングカードやスクリーンセーバーを提供するWebサイトには、罠(わな)が仕掛けられていることが多いといいます。そういったサイトにアクセスする機会が多い方は、ご用心を。