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 7月6日、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された本の展示会「東京国際ブックフェア」に行って来た。世界30カ国から出版関連770社が一堂に出展するという、大変に大規模な展示会である。

 毎年、東京国際ブックフェアではデジタル・コンテンツの配信技術やサービスを紹介するデジタルパブリッシングフェアが会場内で同時開催されている。今年、同フェアのなかで特に盛況だったのはGoogleのブース。7月5日に公開されたばかりの「Googleブック検索」日本語版が紹介されていた。ブースでプレゼンテーションが始まるたびにワッと人が集まり、立ち見の人垣ができるという人気ぶり。

 実際スゴいんですよ、Googleブック検索は。本の中身が全文検索できてしまう。検索ワードにヒットした本のページそのものを画面で見ることができるっていうのは、出版関係者にとっては、期待も不安も膨らむような画期的なできごとであるにちがいない。これが売り上げに結びつくかもしれないし、逆に「検索で立ち読みして済ませちゃう」人が出てくるかもしれない、と。「どこまでユーザーに読ませるか」については出版社の不利益にならないように配慮がされている。Googleブック検索はあくまでタダ見のツールではなく、検索のためのツール。そう位置づけられている。

 検索対象となるのは出版社側が了承した本だけなので、出版社側がGoogleブック検索に参加してくれることがまず必要。米国や欧州の大手出版社の多くがすでに参加、現在全世界で1万社以上の出版社がGoogleブック検索に参加しているという。日本国内での参加出版社の数は公表されていないけど、今後急速に増えていくに違いない。

 会場内で最近小さな出版社を興した知人たちとバッタリと出会った。お茶を飲みながら話題になったのはやっぱりGoogleブック検索のこと。「これは小規模な専門出版社にとってはありがたい。ぜひ参加しよう」という話に。たとえば音楽関係の専門書などは、近所の書店に本が並ぶということはまずない。大型書店でも棚に一冊入るだけだったりするとなかなか手にとってもらえない。潜在的な読者に本の存在を知ってもらうためのハードルが非常に高いのだ。でもGoogleブック検索なら、どこの本にでも出てくるような一般的な語句よりも、ある決まった専門分野でのみ使われる語句のほうが、検索結果も絞り込まれる。専門性が高い本ほど、このサービスは有効かもしれない。そのような会話をした。

 帰宅してから、Googleブック検索でいくつか作曲家の名前を探してみた。まだ対象書籍の数が少ないようだ。ときどき意外な本がヒットしたりする。

 そのうち、楽譜なんかもヒットするようになるのだろうか。「あのメロディはだれの曲だっけ」と口ずさんだら、該当曲の楽譜とCDが出てくるGoogle鼻歌検索とか、そんな機能も実装してくれないかなと軽く期待。