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 「Windows Vistaユーザーのみなさん、使ったからこそ分かるVistaの利点欠点をお聞かせ下さい」――。日経パソコンでは、発売から半年が経過したVistaに関するアンケートを実施しました(関連記事)。調査実施前の目標回答数は100人だったのですが、終わってみれば176人もの方に回答をお寄せいただきました。自由回答欄ばかりで答えるのには手間がかかるアンケートだったにもかかわらず、長文のご意見をご記入下さった方も多数。この場を借りて、深くお礼申し上げます。

 結果をまとめてみると、興味深い事実がいくつか浮かび上がりました。詳細は『日経パソコン』7月23日号に掲載していますが、ここでも少しご紹介しましょう。例えば、ユーザーの利用歴と満足度の関係。Vista全体に対する満足度を問う設問に対する回答を利用歴別に集計してみると、利用歴が長いほど満足度が上がる傾向が見えました。

 Vistaの利用歴が1カ月以下の人では、「満足」「まあ満足」と答えた人の割合は4割弱にとどまります。それが利用歴が2~3カ月の人では5割を超え、さらに利用歴が4~5カ月になると、7割弱まで上がりました。ユーザーの「慣れ」が、製品の使い勝手に大きく影響することが端的に表れた結果と言えるでしょう。

 一方で、「慣れ」だけでは解決しない問題もあるようです。不満の声として多く寄せられたのが、互換性や動作速度の低下。セキュリティ警告のダイアログボックスが頻繁に表示されることにも、煩わしいとの感想が多く見られました。

 私は個人的に、これらとは別の点に興味を持ちました。数としては少数でしたが、「Vistaは初心者向けにオブラートに包んでいるが、パワーユーザー用のモードもほしい」という意見が、複数人から寄せられたことです。

 内部の構造や難しい専門用語をユーザーが意識することなく使える。Vistaが採ったこの方向性はもちろん正しいと思いますし、今後もパソコンやOSが追求し続けるべき課題だと思います。ただしパソコンの既存ユーザーの中には、必ずしもそれを望まない人もいます。内部に詳しいからこそ、自分でそれを見たい、直接触りたいと思うのは自然なことです。

 端的な例が、Vistaのデフラグツール。Windows XPまではハードディスクの断片化状況がビジュアルで確認できるようになっていましたが、Vistaでは一切見えなくなりました。デフラグの進行状況も表示されません。マイクロソフトによれば「従来はユーザーが自らパソコンのことを気にして点検しなければならなかったが、VistaではOSが自動的に最適化するようになった」ことによる変更だとのこと。余計な表示を省くことでユーザーの混乱を減らしたいという意図があったようです。しかしその意に反して、5人ものユーザーが、この変更を不満と述べていました。

 不要な情報を見せないという方法は、分かりやすさを確保する上で確かに有効です。ただ、見たい人のために「見られる」というオプションも、同時に用意してほしかったと思います。デフラグツールに限らず、使う人によって違う顔を見せられる仕掛けをいかに設けていくかが、今後のWindowsには大切になるのではないでしょうか。使う人の層は、多様になる一方なのですから。

 アンケートで集まったこうした思いをマイクロソフトにぶつけたところ、「今後、パワーユーザー向けにVistaのTipsなどを公開していく」とのコメントが得られました。PCオンラインでも、積極的に取り上げていきたいと思います。

 ちなみにデフラグツールについては、以前にも同じような話があったそうです。Windows 9xの時代はブロック単位で断片化の状況が見えていましたが、XPではやや簡素化され、縦棒状の表示に変わりました。当時は「なぜブロック単位で見せないんだ」という文句が少なからず寄せられたとか。いつの時代も、ユーザーの思いは変わらないのですね。