ディスプレイは、EDID、DDCと呼ぶ2つの技術によって、プラグ・アンド・プレイを実現している。パソコンとディスプレイをつなぐには、パソコンが出力する映像信号をディスプレイが対応できる「周波数」と「解像度」内に納めることが必要だ。「周波数」には、水平、垂直の走査周波数および映像信号のクロック周波数が含まれる。「解像度」とは、水平、垂直方向のドット構成のこと。プラグ・アンド・プレイを実現するには、パソコンがこれらの情報を何らかの手段でディスプレイから取得する必要がある。
ここで登場するのがEDIDとDDCだ。EDIDは対応する周波数、解像度のほか、製造メーカー名(Vendor ID)や型式(Product ID)など、ディスプレイ固有の特性を記述した128バイトのバイナリーファイルで、ディスプレイ本体に格納されている。このEDIDをディスプレイからパソコン側へ読み出す仕組みがDDCだ。パソコンは、ディスプレイケーブル内の2本の信号線、SDA(Serial Data)およびSCL(Serial Clock)を用い、システム起動時やディスプレイの接続時にディスプレイ内部からEDIDを読み出す(図1)。

Windowsの場合、DDCで取得されたEDIDの情報は、レジストリに格納される。さらに、この情報はディスプレイ用のデバイスドライバー(INFファイル)の検索やインストールにも使われる。INFファイルとは、Windowsにデバイスドライバーをインストールする時に必要なファイルで、ディスプレイ用のINFファイルには、EDIDとほぼ同じ内容の情報が記述されている。