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 最近注目を集めている新しいディスプレイデバイスに有機EL(electro luminescence)ディスプレイと電子ペーパーがある。これらのデバイスは、少し前まで実用化には時間がかかると見られていたが、技術の進歩はめざましく、ここへ来て急速に業界をにぎわし始めた。

有機ELと電子ペーパー、見えてきた次世代ディスプレイ

 有機EL(organic electroluminescence)ディスプレイは、有機分子でできた発光層を電極で挟み込んだ構造で、有機分子の持つエレクトロルミネッセンスという電気を光に変える現象を利用したデバイスだ。最大の特徴は、非常に薄く、自由に変形できること。さらに、自発光であるため、視野角特性や応答速度にも優れ、動画表示も得意とする。半面、欠点もある。寿命、輝度、消費電力、生産性コストなどだ。しかし、2型クラスでは欠点も克服されつつあり、今後は大型化も進むとみられている(図1)。

 電子ペーパーは、紙の代わりになる薄いディスプレイデバイス。原理も単純だ。オセロゲームの盤上で、石を白黒と反転させながら、「A」「B」「C」・・・といった具合に文字や絵を表現するのに非常に似ている(図2)。電子ペーパーも有機ELと同様、フレキシブルな点が特徴だ。表示内容は、次に内容を書き換えるまで保持され、その間、電力を必要としない。紙のように視野角が広いことも特徴だ。ただ、応答速度に難があり動画表示には向かない。また、カラー化にも課題を残しているが、電子ポスターといった用途では商品化も始まっている。