ウイルスの被害に遭わないためにはどうすればよいのか。今まで見てきたように、ウイルス作者はさまざまな工夫を凝らす。ユーザーにとって重要なことは、1つの対策では防げないことを認識すること。「これだけやれば大丈夫」というウイルス対策は存在しない。複数の対策を組み合わせて備える必要がある(下図)。

対策ソフトは基本
今まで書いたように、ウイルス対策ソフトは万全ではない。新しく出現したウイルスについては、対応するまでにある程度時間がかかる。対策ソフトを回避しようとするウイルスも続出している。
それでも、ウイルス対策ソフトが頼りになることは間違いない。「対策ソフトを使っていれば、ほとんどのウイルス被害は防げる」という言葉は、今回取材した専門家のほとんどから聞かれた。対策ソフトの導入は、ウイルス対策の基本。まだ使っていないユーザーは、すぐに導入してほしい(下図)。

ただし、過信は禁物。ウイルス対策ソフトは「クロ」を検出するだけであって、「シロ」かどうかは保証しない。対策ソフトが検出すれば、そのファイルがウイルスであることはほぼ間違いないが、検出しないからといって、そのファイルが安全とは限らない。