PR

 パソコンメーカー各社から、秋冬商戦向けの新機種が相次いで発表になっています。2007年8月20日には先陣を切って東芝が発表、9月3日にはNEC富士通ソニーが一斉に新製品を披露しました。編集部に近い東京都内の家電量販店店頭では、既に予約受付を始めており、9月中旬から下旬にかけて順次入荷する予定です。

 今回のラインアップでは、各社とも今までにない新機能の実装に力を注いでいます。例えば東芝は、AVノートパソコンの上位機において、地上デジタル放送の2番組同時録画機能を備えました。NECは液晶一体型デスクトップ機で、Blu-ray DiscとHD DVDの両対応ドライブを採用しています。以前からデスクトップ機の一部に採用している水冷機構も見直し、より動作音が静かな製品に仕上げています。富士通は、夏商戦向けにWebサイト限定で発売したUMPCの販路を広げ、今回の秋冬モデルでは家電量販店やパソコンショップなどでも提供します。NECや富士通の一部製品には、IEEE802.11nドラフト規格に準拠した無線LANモジュールも内蔵されました。

 パソコンの新製品が登場するのは、1年に3回ほどあります。ただ、ここ1年ほどのパソコン業界の市況を振り返ってみると、大幅な機能拡張をしづらい状況にありました。

 昨年、2006年の夏商戦までは、地上デジタル放送のチューナーを搭載したテレビパソコンを各社が競い合うという構図がありました。しかし、サッカーのワールドカップ前後の商戦ピーク時に、薄型テレビなどのAV機器に消費が向いた影響で販売が低迷しました。

 その後、2007年の春商戦でWindows Vistaが発売されるまでは、Windows XP搭載機の買い控えが業界全体で懸念されていました。販売低迷を回避する手段として一部のメーカーが大幅な値下げに踏み切り、ほどなくしてほかの大手各社も追随するという構図になりました。もちろん、テレパソの販売は続いたわけですが、付加価値を訴えるには厳しい環境にあったわけです。

 2007年の春商戦では、メーカー各社はWindows VistaとOffice 2007に期待を込めました。5年ぶりに大幅刷新された新OSが発売になることで、そのけん引力に期待していたのです。また、Vistaを安定動作させることが最優先の課題となり、新機能を盛り込むといった積極的な開発方針を採りづらかったということもあります。

 今回の秋冬商戦ではVista発売から半年が経過し、プラス、マイナスいずれの影響も一服しました。メーカー各社に取ってみれば、自社製品に独自機能を積極的に盛り込んで、他社とは異なる独自の魅力をユーザーに訴えかけられる、久々の機会になったというわけです。

 パソコンをはじめとするデジタル機器の世界では、よく「いつが買い時なのか」ということが話題になります。年1回~数回、ほぼ定期的に新製品の投入があり、機能の見直しや価格の変動が頻繁に起こるため、その時々でどの製品が買い時なのかは、よほど丹念に調べない限り判断が難しいというのが背景にあると思います。

 とはいえ、一つ確実にいえるのは、自分が「この製品、この機能が欲しい」と思えるものがあったならば、それは一つの大きな買い時になりうるということです。個々の製品が備える付加価値をユーザーがどう判断するかは、一人ひとり異なります。自分が「欲しい」と思考するということは、その製品に対する付加価値を自分が高く評価しているということでもあります。

 今回各社が打ち出した新機能を見ていると、そうした付加価値向上に真正面から取り組んだことがうかがえます。機能を軸に各社の製品を見比べて、最も愛用できそうな1台を選び出す。そうした買い方がしやすい、楽しい商戦期だと私はとらえています。

 私自身も、4年半ほど使い込んだノートパソコンをそろそろ買い替えようかと考え始めているところです。各社の秋冬モデルが勢ぞろいするころには、自宅や店頭で各社の製品を比べつつ、あれこれ悩んでいるのではないかと思います。「今使っているパソコンもだいぶ古くなってきたなあ……」とお考えの方は、冬のボーナスを前に予習するつもりで、パソコン売り場に足を向けてみてはいかがでしょうか。