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 ガタガタガタガタガタガタ……大きな音を立てながら、針がせわしなく上下に動き、徐々に絵柄ができあがっていく――その様子を見ていて、「徐々にモノができあがっていく過程ってワクワクするなぁ」と思いました。先日、私がブラザー工業の刺しゅうミシン「イノヴィスN80α」を試したときのことです。

 イノヴィスN80αは、Webサイトからダウンロードした刺しゅう用の図柄データを読み込み、そのデータを基にミシンが自動で絵柄を刺しゅうしてくれるというミシンです。『日経パソコン』2007年8月27日号の「気になるデジタルグッズ」やPCオンラインの記事で紹介しましたので、ご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれません。

 今回、私はミッキーマウスとミニーマウスの絵柄などをダウンロードして刺しゅうしてみました。いずれもかなり複雑で、自分で手縫いするのは「絶対無理!」と言い切れる絵柄です。それをイノヴィスN80αはガタガタというミシン独特の音を立てながら縫い込んでいきます。その様子を見ていて、冒頭のように思ったのです。

 私はもともと絵を描いたり、映像を編集したり、モノを作るのが好きです。最近、それらの多くの作業がパソコンでできるようになりました。正直、とても便利になったと思います。絵を描くとき、絵の具がはみ出さないように気をつけながら色を塗るより、画像編集ソフトで範囲指定して色を塗る方が簡単です。失敗した場合もボタン一つで元に戻ります。映像編集にしても、かつてはテープを巻き戻したり早送りしたりしていましたが、今はカーソルを動かして目的の映像を探せます。映像のカットや挿入も、コマを指定して挿入や削除を選ぶだけ。音もなく、あっという間に処理できてしまうのです。

 でもその分、薄れた楽しみもあると思います。それが、徐々に何かができていく過程の楽しさ。完成イメージを想像しながら、できあがりまでの時間をじっと待つ。そのときの期待感と不安感は独特の楽しさがあったように思うのです。ガタガタと結構大きな音を立てて絵柄を縫い上げるイノヴィスN80αを使ううちに、そんな楽しさを久しぶりに思い出したのでした。