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 社会人の方なら承知のことと思いますが、学生と社会人を比べると「勉強」という面でその性質はまったく違います。その中でも僕が最近感じるもっとも大きな違いは、勉強時間の長さです。学生時代、特に大学受験の時には長時間勉強することが当たり前のことでした。長いときは、授業も合わせて1日14時間。今から考えると驚きの長時間です。社会人となった今では当然、これだけまとまった時間は取れません。

 このことをもって「大学受験のときのような充実した勉強はもうできない……」と嘆く人もいるかもしれません。しかし、不思議とそんな気がしません。むしろ、社会人になってからの方が、より充実した勉強ができているように感じています。その実感はどうして出てくるのか。ここに社会人ならではの勉強方法のポイントが隠されています。それは、短時間勉強だからこそ引き出せる集中力。つまり、時間がないという状況を逆手に取り、短時間の中で集中力を維持しながら中身の濃い勉強をする。長時間勉強しているとどうしてもでてくる「中だるみ」の問題を避けることです。

 時間というリソースは、多いほどいいと思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。ビジネスのプロジェクトでも、リソースがあればあるほど、そのリソースが無駄遣いされやすいと言われています。さらに、リソースがあればあるほど、プロジェクトは失敗しやすいという皮肉な言い方すら存在します。つまり、時間というリソースが潤沢に使えるということは、それだけ時間を無駄遣いしてしまい、そして結果的に、受験にすら失敗してしまうことにもなりかねない。こう考えると、長時間勉強できない社会人の方がかえって、勉強をしやすい環境にあると言えるのです。

 こうしたことからも、「長時間、勉強できない」というふうにネガティブに捉えるのではなく、むしろ「長時間、勉強してはいけない」というふうに捉えた方がポジティブです。この意味で、ライフハックというのは、言い換えれば、各種リソースが足りないときの裏技でもあり、逆転技なのです。

 これから少し、短時間で効果を挙げる勉強方法について連載してみたいと思います。まず一つ、iPod Touchを使った動画勉強方法を提案したいと思います。

 以前にもiTunesに登録されている大学の授業を受講するというハックをご紹介しましたが、これまでのiPod(今はClassicと呼ばれているモデル)だと、どうしても重さがネックとなって、長時間の視聴がしづらい部分がありました。手で持っていると腕がだるくなって、ついつい途中で断念することがあるのです。

 ところが、iPod Touchの登場によりこの問題が解決されました。片手で持っても苦にならない重さ。ポケットに入れていてもかさばらない薄さ。これで、気が向いたときにぱっと動画を見ることができます。さらに、大画面になったことで画面に表示される文字もくっきり鮮明に見ることができるようになりました。

 この進化が何を意味するのか?勉強という面からいえば、勉強用のDVDをiPod Touchに落として勉強するという新しい勉強方法を採ることが可能になったことを意味します。これで、通勤中に「資格試験の授業を受ける」ことができるのです。

 通勤時間を授業時間に変える。単にツールが一つ登場することで、このような時間の使い方の劇的な変化が起こる。ツールに技術的なブレークスルーはないものの、「薄くて大きな画面を備えた端末」というのは、これまでにありそうでありませんでした。こういったことを見つける力を持つこともライフハッカーとしては重要です。