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 届けられたドライブはむき出しのまま、データ読み出し専用に作られたコンピューターに接続される。独自のOSとデバイスドライバーを使用しており、Windowsで認識しないドライブもハード的に故障していなければデータをすべて読み出せる。

 ハード的な故障の場合、まずは分解せずに読み出せないか試してみる。同社では、過去に修理したドライブのデータベースを作成しており、ある機種のあるロットでどのような種類の故障が多いかを、過去の故障事例から確認できるようにしている。例えばHDDの故障ならば、ヘッドとプラッター(磁気円盤)の位置が微妙にずれたり、HDDのきょう体が微妙にねじれたりしている。HDDの向きを変えたり、傾けたり、場合によっては万力でねじれを直しながら読み出しを試みたりする。

 磁気ヘッドやコントローラーICなど特定の部品が故障しているときは、分解して交換する。これも、データベースを参照して対応する部品の型番を調べるわけだが、HDDは年間5億台近く生産されており、しかも同じ機種でもロットごとに採用部品が異なることも多い。全機種・全ロットの交換部品を常に在庫として持つことは不可能だ。「時には海外の提携先の部品データベースに接続して適合する型番の部品を探し、飛行機で取り寄せることもある」(同社)。フラッシュメモリーなら、メモリーモジュールのハンダをはがしてROMリーダーという専用機器で読み出したり、水晶発振器やキャパシターと呼ばれる部品を交換したりする。

 こうして読み出したデータは、すべていったんサーバーに保管する。その上で、元のデータの順番を推理しながら細切れになったデータをつなぎ合わせてデータを復旧していく。