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 最近よく聞く「スマートフォン」とは、一体どんな携帯電話なんでしょうか? もともと「スマート」とは英語で「高性能」という意味を表していました。今では、単に高機能なだけでは、スマートフォンとは言えません。というのは、この言葉は、メール機能を持たないような携帯電話だったときに作られた言葉だからです。しかも「スマートフォン」と言い出したアメリカの携帯電話はそれほど高性能ではありませんでした。そのため、アメリカ以外でこの言葉が使われるようになると、「高性能」だけではスマートフォンを定義できなくなってしまったのです。

 では、スマートフォンの実体に近い定義とはなんでしょう? 「オペレーティングシステム(OS)が動いている」でしょうか、「自作のプログラムが動く」でしょうか? どれも半分しか正解ではありません。たとえば、多くの携帯電話は、Javaのプログラムを作って動かすことができます。自分でプログラムを作ることができる「だけ」ではスマートフォンとは呼べないのです。OSも、今ではLinuxやSymbianOSなどが動いている携帯電話も数多くあります。しかし、これらがユーザーからは直接見えない携帯電話も少なくありません。

 携帯電話がスマートフォンかどうかを分けるのは、「ソフトウエアの開発に必要な、OSの情報が一般に公開されている」かどうかです。一般に公開されていれば、誰でも自由にプログラムを開発、利用できるようになります。Javaのプログラムがこれを満たさないのは、Javaという限られた言語についての情報しか公開されていないからです。

 間接的な理由で、こうした携帯電話は高性能になります。ソフトウエアを開発しやすい汎用的なOSを動かすのは、特定の機能しか使わせない携帯電話よりも高性能なハードウェアが必要になるからです。では、「高機能」であることが必要条件でない「スマートフォン」は、どこがいいのでしょうか。

 それは、誰でもソフトウエアを開発できるために、いろいろなソフトウエアが登場してさまざまな使い方が可能になる点です。これは、パソコンとよく似ています。ソフトウエアを入れれば、携帯電話として便利になるだけでなく、いろいろなことができるようになります。自分でソフトウエアを作ってもいいし、市販されているソフトウエアを買ったり、フリーソフトをダウンロードしたりして使うこともできます。

 さて、このスマートフォンですが、今年は、いろいろとありそうです。1つには、Googleが提案している「Android」というスマートフォンの仕様の携帯電話、もう1つは、アップルのiPhoneが登場する予定だからです。すでに日本国内では、Windows MobileとSymbianOSを使った携帯電話があります。今年中には4種類の仕様が並立し、いろいろな機種が登場することになるでしょう。このほか携帯電話ブラウザーを開発しているアクセスがPalmOSとLinuxをベースにしたALP(ACCESS Linux Platform)を開発しています(米国ではPalmOSベースのスマートフォンも発売されています)。パソコンと違ってスマートフォンは、いろいろなプラットフォームがあり、しばらくは競争が続くでしょう。今年は、いろいろなことが起こり楽しみな1年となりそうです。