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 「空飛ぶモンティ・パイソン」という番組をご存知だろうか。
 これは1969年から1974年まで放送されたイギリスのBBC制作のコメディ番組で、日本では1976年に「チャンネル泥棒! 快感ギャグ番組! 空飛ぶモンティ・パイソン」というタイトルで東京12チャンネル(現テレビ東京)でオンエアされた。
 内容は立派な顔をしたイギリス人のおっさん達が真面目な顔で馬鹿馬鹿しいコントを繰り広げるというもの。王室や宗教をおちょくる日本のコメディ番組では考えられないようなきわどいネタも頻繁に登場、今や映画監督として有名なテリー・ギリアムによるシュールなアニメーションも印象深い。

 40年近く前の番組なので少々古くさい感じがするコントがあったり、英語やイギリスの文化に精通していないと理解できないと思しきわかりにくいコントもあるのだが、それでも今見ても充分に楽しめる。欧米はもとより、日本のコメディアンやバラエティ番組、演劇等にも強い影響を与えてきたといわれる。
 あ、そうそう、迷惑メールのことを「SPAM」と呼ぶが、その由来は「モンティ・パイソン」のコントだという説がある。スパム(ランチョンミートの缶詰)を使った料理しか出さない大衆食堂で店員がメニューを説明する時に「スパム」という言葉を何度も繰り返すのだが、なぜか店内にいたバイキング達がそれに呼応してスパムを讃える歌を朗々と歌い出す…という、こうして説明していてもまるで意味がわからぬシュールなコント。意味はわからないけど面白い。このコント大好き。バイキング達と一緒に歌いたい。とにかく一度見てくださいとしか言いようがない。

 さて、「モンティ・パイソン」は、これまでビデオ、レーザーディスク、DVD BOXと、さまざまなメディアでソフト化されてきたが、このほど、ついに! 日本語吹替え版がDVD BOXでリリースされた。
 題して「空飛ぶモンティ・パイソン “日本語吹替復活”DVD BOX」。7枚組3万1290円という豪華なDVD BOXである。

 「ついに!」と力を入れるのには理由がある。
 これまで、東京12チャンネルで放映された日本語吹替え版のマスターテープは「契約上の問題ですべて破棄された」と言われていたのだ。
 一部のコントや劇場用映画には吹替え版が存在していたが、広川太一郎、青野武、納谷悟郎、山田康雄、飯塚昭三、古川登志夫という芸達者揃いの声優陣がアテレコしたこの番組は、二度と見られない幻の番組と考えられていた。
 今回、どこをどうやって契約をクリアしたのかはわからねど、モンティ・パイソンファンが個人的に録画していたビデオテープの音源を使って日本語吹替え版がリリースされる運びとなった。ぶらぼー。

 本来、私は洋画は吹替えよりも字幕で見たい。海外ドラマもディズニーアニメも字幕派だ。
 しかし、例外もある。
 「空飛ぶモンティ・パイソン」は吹替えで見たいソフトの代表格。無論、吹替えが苦手な向きは字幕に切り替えてご覧になればよろしい。字幕でよし吹替えでよし、一粒で二度おいしい。グリコ。

 他には「ローマの休日」や「雨に唄えば」も吹替え版がいい。
 「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンの台詞は可憐で品のある池田昌子の声がピッタリだ。池田昌子といえば、「エースをねらえ!」のお蝶夫人や「銀河鉄道999」のメーテルの声で有名だが、ワタクシ的にはオードリーの吹替えがベストだと思う。最近は、池田昌子以外の声優が吹き替えたバージョンがオンエアされることがあるが、なにか物足りない。
 「雨に唄えば」の調子っぱずれなキンキン声で喋るリナ(ジーン・ヘイゲン)の声を担当したのはマリリン・モンローの吹替えで知られる向井真理子だが、まるでジーン・ヘイゲンが日本語を喋っているみたいな見事な吹替えだ。

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