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「指揮者って何をしてるの? 指揮者が違うと何が違うの?」

 これはクラシック音楽でよくある質問だ。その素朴な疑問に答えるには、オーケストラのリハーサル風景をのぞいてみるのが手っ取り早い。指揮者たちが、どのようにして自分の音楽をオーケストラに伝えるか。その現場を収録したDVDシリーズが「名指揮の軌跡」Vol.1~Vol.8だ。以前にも発売されていたが、2008年2月下旬に、ジェネオンエンタテインメントより再リリースされてカタログに復活した。価格もぐっとお手ごろになっている。

 登場する指揮者は8人。カルロス・クライバー、フェレンツ・フリッチャイ、ゲオルグ・ショルティ、ヘルマン・シェルヘン、ロジャー・ノリントン、ヴァーツラフ・ノイマン、カルロ・マリア・ジュリーニ、ジョルジュ・プレートルという錚々たる名指揮者たち。オーケストラはいずれもシュトゥットガルト放送交響楽団だ。

 Vol.1からVol.8まで、それぞれの構成は決まっており、まずリハーサル風景が収録されており、その後で同じ曲の本番が続く。プレートルのように「牧神の午後への前奏曲」を振る人もいれば、ジュリーニのようにブルックナーの交響曲第9番のような大曲を指揮する人もいる。各々のリハーサル時間も、本番の演奏時間もまちまちだ。

 この8人、いずれも伝説や巨匠の域に達している名指揮者たちだが、みな実に個性的でオーケストラへの接し方や要求がまったく異なる。8巻すべてが見ごたえのある映像で、退屈な練習をする指揮者は一人としていない。

 おそらく、一番人気はカルロス・クライバーだろうか。後年は公演数が極端に減り、指揮台に立つこと自体が大ニュースとなっていたクライバーだが、この映像はまだ39歳の若々しい姿をとらえている(画像はモノクロ。ノリントン、ジュリーニ、プレートルの3人のみがカラー)。曲は得意の「こうもり」序曲と「魔弾の射手」序曲。クライバーは指揮台に立った瞬間から、オーケストラを魔法にかけてしまう。

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