SDメモリーカードは、1999年に東芝、松下電器産業、米サンディスクが共同で開発した小型のメモリーカードです。年々大容量化が進み、最近は4GBや8GBといった製品が手ごろな価格で買えるようになりました。高価ですが、16GBのSDメモリーカードも一部で登場しています。
ただし、メモリーカードを読み取る装置であるメモリーカードリーダーやデジカメ、パソコンによっては、扱えるSDメモリーカードの最大容量に違いがあります(下画面)。原因は、内蔵するホストコントローラーと呼ぶチップの仕様にあります。コントローラーの役割は、挿入したメモリーカードと機器との間のデータ転送を制御することです。

ところが、チップごとに扱えるSDメモリーカードの最大容量が違うのです(下図)。512MBまでしか扱う能力がなければ、当然1GBのメモリーカードは読み書きできません。SDメモリーカードを小型化したminiSDメモリーカード(大きさが半分程度)や、microSDメモリーカード(大きさが5分の1程度)を扱えるメモリーカードリーダーの場合、それぞれで対応している最大容量が異なっている場合もあります。

また、最近の大容量SDメモリーカードを読み書きできない理由としては、機器が「SDHCメモリーカード」に対応していないことも考えられます。SDHCは2006年9月に策定された最新規格であり、SDメモリーカードと互換性のある上位規格です。従来は2GBが容量の限界でしたが、SDHCでは32GBまで扱うことが可能です。従来のSDとSDHCではファイルシステムが違うため、SDHCに非対応のホストコントローラーではアクセスできないのです(下表)。規格の策定以前に発売された製品は、SDHCに非対応と考えてよいでしょう。

大容量のSDHCメモリーカードを使いたいのであれば、対応するホストコントローラーを搭載したメモリーカードリーダーを用意しましょう。最新製品の多くはSDHCに対応しています。安いものなら3000円程度で手に入ります。