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 今回はハックというより、物の見方に対するお話です。少し箸休めとして聞いて下さい。

 大阪の地下鉄では携帯電話を操作している人が少ないという、あるブログのエントリーが話題になったことがあります。確かに東京と比べると少ない気がするんですよね。特に、中高年の携帯電話使用比率が低い。東京だと、メールを打っているおじさんが結構いるんだけど、大阪だとあまり見かけない。出張で使うのは御堂筋線だけなので、なんともサンプルが少なすぎですが、もしかしたらなにか理由があるのかもしれないですね。ちなみに実家のある愛知県では、電車の中なのに平気で電話する人も多かったりして、比較的、緩やかな?印象があります。こちらも、あくまで印象論ですが。

 でも、こうした東西の差はいろいろあって、有名なものにエスカレーターの乗り方があります。関西では立ち止まる人が右側に立ち、歩く人は左側を抜けていきます。関西以外では逆で、左側に立ち止まる人、右側に歩く人となります。

 この理由については諸説あるんでしょうが、一番もっともらしいのが、以下の説。関西では、エスカレーターは歩くのが基本となっていて、歩く人を優先している。左を空けて、立ち止まる人は右側に「避ける」ということになる。それ以外の地域では逆で、立ち止まって乗ることが基本となっているため、立ち止まる人を左側にして優先しているという説。歩く人は右側を歩いて「追い越す」ということになる。高速道路の追い越し車線と同じですね。(これがアメリカだと、車の流れが右側通行なので、日本と逆になるのかもしれません。あくまで仮説ですが。)

 どちらにしても、「左に重きを置いている」ということになるのですね。基本が「歩く」なら左を歩くレーンに。基本が「止まる」なら左を止まるレーンに。左に重きを置いているそもそもの理由は分かりませんが、日本の交通規制も左側通行だしなあ。卵と鶏になってしまいますが。

 こうなると、立ち止まっているときの気分も変わります。東京では、左側に堂々と立ち止まってエスカレーターに乗りますが、大阪では、右側に、できるだけ邪魔にならないように立ち止まります。勝手な思い込みかもしれませんが、そうした気配りをすることで、自分自身がその土地へすこしだけ馴染んでいくように感じます。

 ちなみに、この作法が交差するのが新幹線の新大阪駅。大阪についてプラットフォームから降りていくときのエスカレーターは関西式に左側を歩くことになります。「大阪に来たなあ」と実感する瞬間ですね。逆に、大阪から東京に戻るときののぼりのエスカレーターは関西式ではない。「関西から離れて自分の地域のやり方に戻そう」という思いが感じられて、なんともおかしい。

 どんな違いにも、その土地における合理的な理由が隠れています。そして、そういう小さな人間観察が思わぬ発見につながることがあります。エスカレーターは安全のためもそうですが、人間観察する上でもエスカレーターは歩かず、立ち止まって様子を眺めてみるといいでしょう。