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 電子メールというツールは非常に便利なだけに、いろいろな落とし穴もあります。その一つが、個人と個人で情報をやり取りするようになるため、ほかの人に情報が共有されにくいということがあります。たとえば、Aさんがある業務の担当となり、外部の会社とやりとりしているとき、電話であればそれとなく耳に入ってくる内容が、メールでのやりとりとなることで、どんなコミュニケーションが行われているのか分からなくなる。ブラックボックス化してしまうのです。

 そうすると、いろいろな弊害が出てきます。その一つが、ミスを未然に防げないということがあります。やりとりが上司や同僚に共有されていれば、ミスが起こっても、ほかの人が気づいてアドバイスしたり、フォローすることもできます。しかし、メールでひとり黙々と仕事を進めていると、そういうフォローもできません。ミスが明るみに出たときには、もう手遅れになってしまいます。

 また、個人一人で仕事を進めてしまうことになるので、孤独感を募らせるという副作用もあります。好調なときはいいですが、仕事がうまくいかないときなどは、そのストレスをひとりで背負い込むこともよくあります。まわりに報告もできず、そのことがかえって事態を悪化させることもしばしばです。これもまた、メールによるコミュニケーションが引き起こしている現象の一つです。

 そうならないように僕が活用しているのがメーリングリストです。部署用にメーリングリストを設定。部署内でのメールのやり取りはかならずこのメーリングリストを使うようにしています。それにより、やり取りの内容を部署のメンバーの誰もが読めるようになります。雰囲気としては、部署のメンバーの机が集まっている島で、ワイワイ雑談をしている感覚。となりのやり取りが、メールボックスに飛び込んでくることで、バーチャルな井戸端会議の状態となるのです。演劇に詳しい人なら、人々が同時にしゃべる「静かな演劇」というとイメージがわくかもしれません。

 同時並行で複数の会話がメールで行き交う状態というのは、非常ににぎやかで、活気を感じさせます。大阪への出張中にもかかわらず、今も僕の携帯電話にはチームメンバーのいろいろなメールが飛び込んできます。メーリングリストを使うことによって、いつでもチームメンバーが「つながっている」状態を実感することができるのです。

 情報共有ということだけでなく、メンタルヘルスケアという観点からも効果があるのではないかと思っています。チームとしての結束力が低下している組織には、ぜひ試してほしいハックです。

 ちなみに、CCにメールアドレスを入れるという方法もありますが、毎回、何名ものメールアドレスを入力するのは面倒です。また、これは次回、ご紹介するのですが、地理的に離れたグループの人とのやり取りにもこのメーリングリストは活躍します。そのとき、部員個人のメールアドレスを使うでのは都合が悪い。言い換えれば、メーリングリストにしておくことで、チームが組織として認識される、ということなのです。