PR

 東京・目黒区。東急東横線の学芸大学駅のすぐ近くに、ある写真店が1月にオープンした。ひっきりになしに客が訪れ、休日には“満員電車”さながらにごった返す。その多くは若い女性客だ。

 今どき珍しく、活気あふれる写真店「monogram」を手がけたのは、佐藤嘉宏氏。「日本ポラロイドからWebサイトの制作を請け負ったのが、すべての始まりでした」。カメラに関心のなかった同氏は、これを機に“ポラロイド”や、数千円で買えるトイカメラに傾倒する。

 ポラロイドや中国製「Holga」、ロシア製「LOMO」といったトイカメラは、最新のデジカメとは対極にある。ボケやゆがみ、妙な光の写り込みさえ起こる。ところが、この独特の風味がかえって面白いとされ、一部の熱狂的なファン層を生み出した。

 ブームの渦中にいた佐藤氏は、「ポラロイドやトイカメラで写真が好きになった人たちが集える場を提供したい」と思い付く。そこでまず、Web制作会社の本領を発揮し、専門SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を立ち上げることに。「カメラピープルSNS」がそれだ。「いわゆるカメラオタク以外の人を集めたかったので、開設の1カ月前に、一般人の写真を集めた同名の写真集を発刊し、そこでSNSを宣伝しました」。狙いは的中。共感したファンがこぞって押し寄せ、今日に至る。

 「じゃあ次は、店をやるべきだろうと。SNSユーザーがもっと写真を好きになるサービスやモノが買える、理想的な写真店。それがmonogramなんです」。確かに、単にプリントを注文できるだけでなく、客自身が業務用のプリント装置を使わせてもらえるのは、写真店としては異例だ。販売しているのもフィルムカメラや関連雑貨ばかりである。

 「SNSや店舗を通じて、生活の中で写真を楽しむ本当の意味での文化を日本に根付かせたい」。そう語る佐藤氏だった。