PR

 最近は、電話で機械を相手におしゃべりをすることが多くなった。企業のカスタマーサービスや航空券の予約など、かなりの部分が音声認識ソフトによるエージェントで置き換えられているからだ。

 私がシリコンバレーで最初に音声認識で驚かされたのは、有名な未来研究およびコンサルタント機関のインスティテュート・フォー・ザ・フューチャーに、やはり著名な研究者ポール・サフォーを訪ねた時だ。彼がオフィスの電話に語りかけると女性の声がして、「分かりました。それではこれからしばらくは電話をつなぎません」などと返答する。

 彼が使っていたのは「ワイルドファイアー」という会社のシステムで、オフィスにかかってきた電話をミーティング中は取り継がないとか、それでもこの番号だけは通すとか、そんな通話管理をそのシステム内の女性エージェントとやりとりしてできるものだった。

 その女性の声がなかなかに心地よく、しかも会話は丁々発止といった感じで進む。「今から」「どのくらい?」「1時間」「電話を?」「取らない」「すべての電話?」「そう」などといった調子なのである。それも手伝って、私は仰天したものだ。しかも、このシステムは結構複雑な処理もできて、「あと2時間は、車に電話をまわしてくれ」といったようなことも、その女性エージェントがセットしてくれる。ただし、彼女が分かるように話してあげることが必要だ。

 これが10年近く前のこと。2度目に彼を訪ねた時も,同じようにしてこの会話を披露してくれたので、サフォーはよほどワイルドファイアーが自慢だったに違いない。ワイルドファイアーは、音声認識技術の実用化にかなり早くから取り組んだ会社だったが、その後イギリスの通信会社オレンジに買収されて、開発は先細りになったようだ。

 今は交通情報が統合されたGPSレシーバーもあるし、携帯のブラウザーで地図を呼び出せば、そこに交通情報が組み込まれていたりしているが、それがなければ「511」というサービスが便利だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
日経電子版セット今なら2カ月無料