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 「セキュリティ、可用性、利便性。どれをとっても我々の製品で一番だ」。世界的な家電製品の見本市「2007 International Consumer Electronics Show(CES)」開幕を翌日に控えた2007年1月7日(米国時間)、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長による基調講演が行われた。ゲイツ氏は1月30日に発売になるWindows Vistaについて冒頭のように語ったあと、これまで明らかにされてこなかったWindows Vistaの新機能を初披露。また、Windows Vistaを搭載した新コンセプトのパソコンや、開発中のホームサーバー製品をアナウンスした。

 製品版が完成し、企業向けには出荷も始まっているWindows Vista。そのVistaに未公表の機能があるとは意外に思うが、実は機能の存在だけが公表され、詳細は謎に包まれていたものがある。その一つが、「Ultimate Extras」。インターネット経由でVistaに機能を追加できるサービスで、Windows Vistaの最上エディション「Ultimate」にのみ提供される。米マイクロソフトのグループ・プロダクト・マネージャーであるジャスティン・ハチンソン氏が、いくつかのデモを実施した。

 例えば、失敗写真を合成して、望ましい写真を作成する機能。複数の人が並んで写真を撮ったら誰か1人が目をつぶってしまい、もう1枚撮り直すと、さらに別の人が目をつぶってしまった――。こんな時、目を開けてほほえんでいる個所だけを抽出して別の写真に合成し、皆が望ましい顔をした写真を作成してくれる。マイクロソフトの研究部門であるマイクロソフト・リサーチが開発した「GroupShot」をベースにしていると考えられる。

 「DreamScene」と呼ぶ機能も、Ultimate Extrasで提供される。パソコンのデスクトップの背景に動画を設定する機能で、自分が撮影した動画を背景にすることも可能だ。

 Ultimate Extrasのほかに、Windows Media Centerから利用できるようになるコンテンツ「SportsLounge」も紹介された。FOXSports.comと共同で提供するもので、スポーツのライブ映像と、現在のスコアなどの情報をリアルタイムに組み合わせて表示する。

新型パソコンやホームサーバー製品も

 続いてゲイツ氏は、Windows Vistaを搭載する新しいタイプのパソコン4機種を紹介。タッチパネル搭載のデスクトップパソコン「TouchSmart PC」(米ヒューレット・パッカード)、サブディスプレイでメールなどを確認できるVistaの新機能「Windows SideShow」に対応したノートパソコン「Portege R400」(東芝)、録画したテレビ番組や映画を楽しめる円柱形のパソコン「VAIO VGX-TP1」(ソニー)、キーボードやペンなどさまざまな入力デバイスを使えるUMPC(ultra-mobile PC)の「Medion UMPC」(独メディオン)である。詳細は触れられなかったが、いずれもCESの展示会場でお目にかかれる可能性が高そうだ。

 同じく詳細は解説されなかったが、ホームネットワーク構築を目的とした「Windows Home Server」という新製品を発売予定であることも明らかにした。写真や音楽、動画、文書などの蓄積や管理に利用でき、ストレージの追加も容易だという。コンテンツの自動バックアップ機能や、「Zune」などの音楽プレーヤーやゲーム機「Xbox 360」などとの接続機能、外部からのアクセス機能も備える。2007年の後半に、ヒューレット・パッカードがこの製品を搭載した「HP MediaSmart Server」を発売する計画だ。

 基調講演の後半は、音楽プレーヤーや携帯電話、ゲーム機などのデバイスの話題が中心となった。中でも時間を費やしたのがゲーム機「Xbox 360」。Xboxは既に1040万台出荷されており、Xbox 360のオンラインゲームサービス「Xbox Live」は500万人もの会員を集めているという。「これは未曾有のソーシャルネットワークだ」(同社)。

 このXbox Liveが、2007年夏からWindows Vistaで利用可能になる。Windows VistaとXbox 360の利用者が、直接ゲームで対戦できるようになるわけだ。実際に、双方の利用者が「UNO」で対戦するデモなどが披露された。また、インターネットを通じてテレビを視聴できる「Microsoft TV」と呼ばれる機能をXbox 360でも利用できるようにする計画だという。2007年末には、この機能に対応したXboxが発売される見込みだ。

 また最後には、米フォードとの提携を発表。マイクロソフトの技術をベースにフォードが開発した車載システム「Sync」が紹介された。さまざまな電子機器を自動車の中でも利用可能にする技術で、音声合成技術を利用したメールの読み上げ機能、ハンズフリーによる電話機能、音声による音楽プレーヤーの操作機能などがある。2007年の後半には実用化され、フォードの2008年の12車種に搭載されるという。