PR

 Windowsをバージョンアップしたら、愛用のソフトや周辺機器が使えなくなった──。長年パソコンを利用していれば、このようなトラブルは誰しも一度は体験する。トラブルの原因はいくつか考えられるが、Windowsとソフト/ハードの「互換性」の問題により引き起こされることが多い。互換性が確保されないと、ソフトのインストールや周辺機器の接続に失敗したり、最悪の場合システムが停止したりすることも。特に、販売時期の古いソフトや周辺機器ほど、その傾向が強まる(図1)。

【Windowsとの互換性によって引き起こされる主な症状】
図1 Windowsをバージョンアップすると、ソフトや周辺機器が正しく動作しなくなることがある。その多くは互換性に問題がある
図1 Windowsをバージョンアップすると、ソフトや周辺機器が正しく動作しなくなることがある。その多くは互換性に問題がある
[画像のクリックで拡大表示]

 ただ、ユーザーからすれば、以前のバージョンで問題なく使えていたソフトや周辺機器が、突然使えなくなるのは理解しがたい。結果的に怒りの矛先はバージョンアップしたWindowsへと向かうことになる。本来、Windowsは対応するソフトや周辺機器を利用していれば、どの環境でも使えるはずだ。それならなぜ、バージョン間で互換性の違いが生ずるのだろう。そして、古いソフトや周辺機器が新しいWindowsと“相性”が悪い理由は何か。ここではまず、Windowsの仕様と互換性の関連性について探っていこう。

上位互換と下位互換はどう違う?

 製品の互換性を表すのに「上位互換」「下位互換」という用語が用いられる。上位互換は、上位製品から見て、下位製品の機能をすべて利用できることを意味する。主に、新しい製品が旧製品との互換性を確保していることを示すのに用いる。

 一方、下位互換は、下位製品が上位製品との互換性を保てるように、上位製品側で対処していることを示すのが一般的だ。上位製品で作成したデータを、下位製品でも扱える点を強調する際などに使われる。

 例えば、Office 2007は、Office 2003以前とは異なる新しいファイル形式を標準としているが、従来の2003形式もそのまま扱えるので上位互換を備える。また2007で作成したデータを2003以前でも扱えるように、2003形式で保存する機能もある。つまり下位互換となる。ただこの場合、機能が一部制限される。