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 PDF(portable document format)は、WindowsやMac、Linuxなど異なる環境でもレイアウトが乱れたり文字化けしたりしないので、広く普及している文書ファイル形式だ。そのPDFファイルがトラブルになるケースを見ていこう。

 最初はパスワードが分からずにPDFファイルが開けないというケース。PDFには、パスワードを入力しないとファイルが閲覧できないセキュリティ機能があり、アドビシステムズの「Acrobat」などを使えばパスワードを設定できる。パスワード付きのPDFファイルを受け渡しする場合、ファイルとパスワードは別々の手段で送るのが一般的。セキュリティ上、一緒に送っては意味がないからだ。ただ、そうなると「ファイルは手元にあるのに、パスワードが見つからない」という事態が起こり得る。

3文字なら1秒で判明

 パスワードはフリーソフト「PDF Crack」を使えば解析可能だ(図12)。「big」というパスワードを設定したPDFファイルで試したところ、約1秒で解析できた。PDFCrackは、総当たり式でパスワードを解析する。パスワードの文字数が増えると解析に必要な時間が延び、解析時間はPDFCrackを実行するパソコンの性能に依存する。試しに、5文字のパスワード「japan」を設定すると1時間では解析できなかった。

 パスワードが容易に解析されてしまっては本来のセキュリティの意味はない。PDFCrackはあくまでも緊急手段である。PDFファイルには長いパスワードを設定し、できるだけ失念しないよう心掛けよう。

 PDFの閲覧アプリはWebブラウザー用のプラグインも用意されており、ブラウザーの中でPDFを表示できる。汎用性の高いPDFだが、グーグルのWebブラウザー「Chrome」の場合、「一部を表示できませんでした」というメッセージが表示される場合がある(図13)。Chromeの標準設定では、アドビシステムズのプラグインを使わずに独自の「PDF Viewer」を使ってPDFを表示する仕組みになっているためだ。PDF Viewerは、PDFファイルを素早く表示できるといった利点がある半面、Adobe Readerとの差異で表示が乱れる場合があるのだ。

 表示が大きく乱れることはあまりないが、気になる場合はAdobe Readerでファイルを開き直そう。Adobe Readerがインストールしてあれば、画面上に「Adobe Readerで開きますか?」と表示されるので「はい」を選択すればよい。

●うっかり失念したPDFのパスワードを解析
図12 フリーソフトの「PDFcrack」を使えばパスワードを解析できる。作業は「コマンドプロンプト」画面で行う。ファイルをドラッグ・アンド・ドロップすればよいので、コマンド操作に不慣れでも迷うことはないだろう
図12 フリーソフトの「PDFcrack」を使えばパスワードを解析できる。作業は「コマンドプロンプト」画面で行う。ファイルをドラッグ・アンド・ドロップすればよいので、コマンド操作に不慣れでも迷うことはないだろう
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●「Chrome」だとPDFが正しく表示されない場合がある
図13 Internet ExplorerやFirefoxは、Webブラウザーの中でPDFを表示する際に米アドビシステムズのプラグインを使うが、Chromeは独自の「PDF Viewer」を使う。そのため、PDFが正しく表示されない場合がある
図13 Internet ExplorerやFirefoxは、Webブラウザーの中でPDFを表示する際に米アドビシステムズのプラグインを使うが、Chromeは独自の「PDF Viewer」を使う。そのため、PDFが正しく表示されない場合がある
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