大惨禍を引き起こした東日本大震災から1年が過ぎた。復興庁はできたものの、岩手、宮城、福島の3県を中心に町並みが戻っていないところは多く、復興は道半ばだ。一方、東日本大震災では、過去の震災以上にITが存在感を発揮した。今後の災害に備えてITで何ができるのか、考えてみたい。まずは東日本大震災の時に、ITがどう生かされたのか、その点を追ってみる。
東日本大震災後、状況確認や被災地支援のための情報サービスが次々と登場し、被災地にパソコンや無線LANルーターを送るなどの支援も活発に行われた。半面、被災地では通信が最長1カ月ほど断絶するなど、限界も露呈した。東日本大震災の被害状況やIT企業の主な取り組みをまとめたのが下の図である。