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 屋外の通信は、数年後に新方式のLTEが主流となっていくことは間違いない。とはいえ、現在は従来型の3Gの通信機能を使うスマートフォンや携帯電話がまだ多い。3G方式にはさまざまな種類がある(図1)。それぞれの違いを解説していこう。

●スペック表に並ぶ通信方式
図1 海外製スマートフォンなどのスペック表を見ると対応する通信方式の名称がずらりと並んでいることがある。上図はiPhone 4Sのもの。なおUMTSは海外でのW-CDMAの名称で、GSMやEDGEは第2世代携帯電話の通信方式
図1 海外製スマートフォンなどのスペック表を見ると対応する通信方式の名称がずらりと並んでいることがある。上図はiPhone 4Sのもの。なおUMTSは海外でのW-CDMAの名称で、GSMやEDGEは第2世代携帯電話の通信方式
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現在の主流はHSPA

 3Gとは第3世代を意味しており、データの送受信を目的として通信を高速化した携帯電話のことを指す。第1世代はアナログ式の携帯電話、第2世代はデジタル化されたものの音声通話の利用が中心だった時代の携帯電話のことだ。

 2001年には、NTT ドコモが「W-CDMA」方式を採り入れた3Gサービスを開始した(図2上)。通信速度は最大で384kbpsだった。このW-CDMA方式はソフトバンクモバイルやイー・アクセスも使っている。

 2006年にはW-CDMAの改良版である「HSPA(high speed packet access)」方式が登場する。1つの信号ブロックで送信できる情報量を増やすなどの変更を加えた。特に基地局から端末への下り方向の速度を高めていることから「HSDPA(high speed down packet access)」と書かれる場合が多い。3Gの一歩先を行くという意味で3.5Gと呼ばれることもあった。

 HSPAの当初の速度は最大3.6Mbps。その後、最大14.4Mbpsまで高速化された。現在ではHSPA方式に対応する通信機能を持ったスマートフォンや携帯電話が多い。

 さらに改良して高速化した「HSPA +」や周波数幅を2倍にした「DCHSDPA」方式もある。HSPA +やDC-HSDPAを使ったモバイルルーター向けのデータ通信サービスは、イー・アクセスやソフトバンクモバイルが提供している。両社のLTEサービスで採用しているモバイルルーターはDC-HSDPAにも対応している。LTEで通信できない場所でのバックアップ回線として利用できるというわけだ。

●高速化のための改良でさまざまな方式が登場
図2 2001年以降に登場したW-CDMAなど第3世代携帯電話(3G)の通信速度は数百kbps程度。その後、高機能な携帯電話やスマートフォンが登場し、より高速な通信速度が求められるようになった。その結果、従来方式に改良を加えたさまざまな方式が登場した
図2 2001年以降に登場したW-CDMAなど第3世代携帯電話(3G)の通信速度は数百kbps程度。その後、高機能な携帯電話やスマートフォンが登場し、より高速な通信速度が求められるようになった。その結果、従来方式に改良を加えたさまざまな方式が登場した
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混雑解消の新方式も

 一方、KDDIは「CDMA2000 1x」という3G方式を採用している(図2下)。当初の通信速度は最大144kbpsだったが、その後は「CDMA 2000 1x EV-DO」「同EV-DO Rev.A」「EVDOマルチキャリア」といった進化を重ねて高速化を進めてきた。

 このほか、KDDIは混雑時の通信を高速化する技術を6月末までに全国展開すると発表した。通信の状況を監視し、混雑している基地局の周辺にあるスマートフォンや携帯電話を混雑していない近隣の基地局に接続させる。これにより混雑する場所での速度が最大2倍になるという。