ここ2~3年の間で、PCオーディオの人気がますます高まってきた。折しもの「ヘッドホンブーム」もあり、ヘッドホンで携帯音楽プレーヤーの音楽を楽しむ20~30代の若年層からも、徐々に注目が集まっている。そこで、PCオーディオを含めた最新のデジタルオーディオ事情を紹介していこう
(1)デジタルオーディオのワイヤレス化が進む
ここ1年ほどで、iPhone、iPodシリーズに対応する「Dockスピーカー」が下火になり、Bluetoothスピーカーへと主流が移行しつつある。DockスピーカーはiPhone/iPodシリーズの音楽を聴いたり充電したりできるのが魅力だが、Dock上に設置したiPhone/iPodからでなければ操作できないのが難点。その点、BluetoothスピーカーならiPhoneやAndroidスマートフォンを手元で操作しながら音楽を楽しめる。iPhone/iPodシリーズだけでなく、Androidスマートフォンやパソコンなどさまざまな機器に対応するのもBluetoothの魅力だ。
利便性の高さや対応機器の豊富さで人気のBluetoothに対し、アップルの「AirPlay」対応機器が急速に増えている。その理由は「音質」だ。
Bluetoothは非可逆圧縮方式で伝送するため音質の劣化が避けられない。一方のAirPlayは、Appleロスレス(ALAC)で伝送するため、音質が劣化しないのが魅力となっている。
AirPlayはiPhone/iPod touch/iPadシリーズのほか、パソコンのiTunes(Windows/Mac対応)で利用できる。PCオーディオの定番再生ソフト「Audirvana」(Mac対応)でも利用可能だ。AirPlayはハイレゾ音源の伝送には対応しない(CD音質にダウンサンプリングされる)が、手軽に高音質で楽しみたい人には大変おすすめな機能といえるだろう。
BluetoothとAirPlayは、どちらもAVアンプやホームシアタースピーカーなどへの採用が急速に進んでいる状況だ。


