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CPUの動作周波数、メモリーやHDDの容量、画面のアスペクト比など、分かっているつもりでも、その数字に戸惑う場面がよくある。仕組みから正しく理解すれば、数字に悩まされずに済む。

混乱しやすいCPUの動作周波数

 CPUの動作周波数といえば、パソコンの性能を表すものの代表格。その数字が気になる人は多いだろう。ところが、CPU本来の仕様と、パソコン上の動作周波数の表記が異なり、戸惑うことがある(図1)。これは、最近のCPUに、状況に応じて動作周波数がアップする“高速化機能”が搭載されているからだ。

●動作周波数の表記は2種類ある
図1 Windowsのシステム画面を開くと、CPUの定格動作周波数を確認できる(左)。CPUメーカーの仕様表には、異なる最大動作周波数の表記もある(右)
図1 Windowsのシステム画面を開くと、CPUの定格動作周波数を確認できる(左)。CPUメーカーの仕様表には、異なる最大動作周波数の表記もある(右)
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 Windowsの「システム」画面を開くと、定格の動作周波数が表示される。定格とは、製造元が保証する最大値のこと。動作周波数が定格以上になると、消費電力や温度の上昇を招き、動作の不安定化や寿命短縮につながる。つまり、動作周波数における定格は、安定した動作ができる上限ということだ。

 ただ、CPUの動作の安定性は、動作周波数だけでは決まらない。マルチコアCPUであれば、稼働しているコアの数によっても、電力量や発熱量は変わってくる。CPUは常に全てのコアが動作しているわけではなく、処理内容によっては休止しているコアもある。この点を利用して、動作周波数のアップを図ったのが、米インテルの「ターボ・ブースト」機能である。主力製品の「Core i」シリーズに搭載されている。

 ターボ・ブースト対応のCPUは、処理の負荷が高まったとき、全体の消費電力や温度に余裕があれば、特定のコアの動作周波数を一時的に定格より引き上げる(図2)。ターボ・ブーストによって引き上げられる動作周波数の上限値はCPUのモデルによって異なり、パソコンやCPUの仕様書には「ターボ・ブースト・テクノロジー:最大3.4GHz」などと記されていることが多い。

 この上限値は常に一定ではない。例えば「Core i5-4570」というCPUの場合、133MHzを1段階として最高で4段階まで上がるが、ほかのコアの負荷が高いときには、1段階しか上がらないこともある(図3)。

 なお、米AMD製のCPUの一部にも「ターボコア(Turbo CORE)」と呼ぶ同様の機能がある。

●処理に応じて動作周波数を上げている
図2 米インテルの一部のCPUが備える「ターボ・ブースト」機能。通常は定格の動作周波数で動作するが、負荷が高まると動作周波数が一時的に上がる。画面はインテルが提供している無料ソフト「ターボ・ブースト・テクノロジー・モニター」
図2 米インテルの一部のCPUが備える「ターボ・ブースト」機能。通常は定格の動作周波数で動作するが、負荷が高まると動作周波数が一時的に上がる。画面はインテルが提供している無料ソフト「ターボ・ブースト・テクノロジー・モニター」
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図3 ターボ・ブーストの最大動作周波数は、処理内容や電力消費状況などによって変わる。処理が重く、電力消費が高くなると、動作周波数の上昇幅が抑えられる
図3 ターボ・ブーストの最大動作周波数は、処理内容や電力消費状況などによって変わる。処理が重く、電力消費が高くなると、動作周波数の上昇幅が抑えられる
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