米Intelは、4月2日、3日の2日間、中国・上海市で開発者向け会議「Intel Developer Forum 2008」を実施した。この会議でIntelは、小型のデバイスや低消費電力用途に開発した「Atomプロセッサー」を発表した。Atomはパソコンにも搭載され、ノートパソコンタイプを「Netbook」(ネットブック)、デスクトップパソコンタイプを「Nettop」(ネットトップ)と呼んでいる。
Nettopなら299ドル以下に
NetbookとNettopは、インターネット利用を中心としたユーザーに向けに、Atomプロセッサーを採用することでより低価格なパソコンを実現すべく計画されたものだ。そのターゲット価格は、Netbookが339米ドル以下、Nettopが299ドル以下となる。
しかし、この価格設定に疑問を投げかけるメーカー関係者は多い。Intelは、Nettopの製造コストを200ドル弱と見積もっている。つまり、メーカー、代理店、販売店の利益は残りの99ドルから捻出することになる。パソコンベンダー関係者の多くは「これではサポート費用も出ない」と頭を抱えている。大手ベンダーであれば、市場拡大の手段としてIntelが推奨する299ドル以下の価格帯でNettopを投入することもできるだろうが、中小規模のベンダーがこの価格を実現するのは難しい。
Intelは、Nettopの価格を実現するためには「流通システムの最適化も不可欠だ」と説明している。しかし、国内の流通システムを変革することはたやすいものではない。ある業界関係者は「NettopやNetbookは、あくまでも大企業の論理に則って販売計画が立てられている」と指摘する。また、「Intelが299ドルまたは399ドルという販売価格を強くプッシュすれば、製品の仕様や品質面に影響が出る可能性もある」と、不安を隠さないベンダーもいる。
