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 毎日の仕事が終わると、必ずパソコンをシャットダウン(電源オフ)してから会社を出ていた私。旧型パソコンのためシャットダウン作業に時間がかかり、帰りの電車を1本逃したこともしばしば。出社時はパソコンを一から起動するため、これまた時間がかかってなかなか仕事に入れません。

 この問題を解消するには、シャットダウンの替わりにスタンバイを使う手があります。スタンバイは作業中のデータをメモリーに退避してから電源を切る機能です。シャットダウンと比べてパソコンの終了と復帰を高速化できるのですが、メモリーに電源を供給し続けるため、余計に電気を食うといった欠点があります。

 いままでは「電気代がもったいない」という考えが災いして、なかなかスタンバイを使えずにいました。そんな私の意識を変えたのが、『日経パソコン』2008年6月23日号特集1「消費電力を極める」で実施した、パソコンの消費電力の計測実験でした。

 図1をご覧ください。これは「ワットチェッカー」(サンワサプライ、実勢価格は約8000円)という簡易電力計を使って、起動中やスタンバイ時の消費電力を計測した結果です。各状態からパソコンを復帰および起動させるのにかかった時間も調べました。実験に使ったパソコンは、普段、私が利用している4年前に購入したデスクトップです。

図1 ワットチェッカーで計測した消費電力とカタログ上の値、および復帰/起動にかかった時間の実測値。使用したパソコンはエプソンダイレクトの「Endeavor AT200」
図1 ワットチェッカーで計測した消費電力とカタログ上の値、および復帰/起動にかかった時間の実測値。使用したパソコンはエプソンダイレクトの「Endeavor AT200」
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 結果を見ると、消費電力はシャットダウン時が1Wなのに対して、スタンバイ時は2Wとその差はわずか1W。一方、復帰および起動時間はシャットダウンからだと73秒かかったのに対して、スタンバイは10秒と1分以上の差が出ました。

 この消費電力の差(1W)を、電気代に換算してみましょう。東京電力が設定している1kWhの電力量に対する単価は、最も高いもので約22円になります(2008年6月23日時点)。1kWhとは、消費電力が1kWの機器を1時間(1h)使用した際の電力量を指します。もちろん、実際にはこれに基本使用料や消費税などが加わります。

 1Wは0.001kW。1日中同じ状態で1カ月間(約30日)過ごすと仮定すると、0.001(kWh)×24(h)×30(日)×22(円)≒16円という計算になります。つまり、1カ月間シャットダウンし続けた場合と、スタンバイし続けた場合とでは、電気代で16円の違いが出ることになります。人によって違いはあるでしょうが、16円で毎日の作業が快適になると分かったら、スタンバイを選ぶ人は増えるのではないでしょうか。

 ちなみに、一定時間パソコンを操作しない時に使うスクリーンセーバーも、スタンバイで代用した方がお得です。一見、待機状態に見えるスクリーンセーバーも、中身は立派なソフトウエア。実行中は常に何らかの作業をし続けている状態と同じです。