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 日経PC21最新号(9月号)の編集長インタビューで、大成建設のシステム部門を統括する木内里美部長に登場いただきました。インタビューの目的は、同社がビスタの導入を見送った理由を伺うことでしたが、木内氏の発言で非常に印象に残った言葉があります。それは「競争相手がいない企業は傲慢になる」という話です。

 同氏が例に挙げたのが、データベースの巨人、オラクルの話でした。今から七年前、大成建設が社内のデータベース・システムを更新するためオラクルから見積もりを取ったところ、非常に“傲慢な”価格を提示したきたそうです。

 当時は、オラクルの全盛期。ライバルがいないのですから強気の価格を出して当然かもしれません。その時、木内氏は社内の反対を押し切りIBMの「DB2」を採用します。「おかげでコストを大幅に削減できたし、IBMも実によくこちらのニーズを聞いてくれた」(木内氏)と言います。

 ところが、契約更新を重ねるうち、今度はIBMの価格設定が傲慢になり、逆にオラクルのほうが柔軟な価格を提示するようになったそうです。「だからこそ、常にライバル同士を競わせないといけない」と木内氏は力を込めます。

 企業はライバルと競い合うなかで鍛えられ、ユーザーニーズを先取りする能力が磨かれます。不幸なことに今のマイクロソフトにはライバルがいません。ビスタが企業ユーザーに浸透しなくても、マイクロソフトからは「今すぐ何とかしなくては」という緊張感が伝わってきません。

 しかし、その間にも脱ウィンドウズの動きは確実に広がっています。今やアプリはOS上ではなく、ブラウザー上で作る時代。これまでは非力で使いものにならなかった携帯電話やPDAが、クライアントPCとして脚光を浴びています。競争の不在が、ウィンドウズ自体の存在基盤を弱めていく……。パソコンに強い思い入れがある人間として、現状に危機感を抱かずにはいられません。