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 エプソンが今年に入って、ビジネス向けのインクジェット・プリンターを続々と発売しています。これまで、職場の印刷と言えばレーザー・プリンターが主流で、インクジェットは専ら家庭向けに販売されてきました。なぜビジネス向けを出したのか。この7月、セイコーエプソンの碓井稔社長に話を伺ってきました。

 碓井氏が挙げた理由は、二つあります。一つは環境性能です。インクジェットの消費電力は30ワット前後で、これはレーザーの一割程度にしか過ぎません。これがオフィスの省エネルギーの観点から、にわかに脚光を浴びるようになったのです。米国の副大統領を務めたアル・ゴア氏も「不都合な真実」のなかで、インクジェットの利用を強く推奨しています。

 もう一つは、ランニングコストの削減です。インクジェット用のインクカートリッジは構造がシンプルで、レーザーのトナーカートリッジに比べると、二、三割は安くなります。また、レーザーに比べて両面印刷のトラブルが少ないのもメリット。両面印刷がスムーズにできれば、それは用紙代の節約につながります。

 実際に同社のビジネス向けインクジェット「PX-B500」を使ってみました。標準価格は約8万円。もちろんネットワーク対応で、カラー・モノクロ共に一分間に37枚の印刷が可能です。印刷品質は、レーザーに比べて若干見劣りしますが、実用的には十分なレベル。これで電気代を節約でき、ランニングコストも低減できるなら、導入を検討する価値もありそうです。

 折からの原油高で、用紙代は高騰し、電気代の値上げも予定されています。「オフィスの印刷コストを一円でも削減したい」という願いは多くの企業に共通したニーズです。碓井氏は「あと5年もすれば、インクジェットが主流になるのではないか」と予測していましたが、コストダウンにつながることが広く認識されれば、もっと速いテンポで普及するかもしれません。