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 メルマガ配信大手のまぐまぐが先日、おもしろいサービスを始めました。個人が製作した動画や音楽を売買できる「まぐまぐ!マーケット」です。

 まぐまぐ!マーケットでは、個人が製作したコンテンツをまぐまぐが審査し、それを通過したものを売ることができます。会員登録さえすれば、誰もが「製作者」になれます。製作者は自分のコンテンツをいくらで売るか、価格を自由に設定できます。自分が製作した音楽や効果音などの音声ファイル、何かの手順を説明する動画コンテンツ、などアイデア次第でさまざまなものを販売できるはずです。

 以前、まぐまぐの横尾茜社長に取材したときに聞きました。「世の中には制作物に始まり、思想やアイデアなど形のないものも含めて、貴重なものを持っている方がたくさんいます。そういった方が持っているものを世に出すお手伝いをするのが我々のモットーです」と。今回開始したサービスは、このモットーに沿った、まさにまぐまぐらしいサービス。メルマガ配信のイメージが強いまぐまぐですが、そのイメージにとらわれないサービス展開をしているようです。

 YouTubeやニコニコ動画の勃興は、すべてのユーザーが表現者であり、製作者になれることを世に示しました。一方で、著作権の問題などを浮き彫りにしたのも事実です。

 「一億総製作者になれる現代で、JASRACの著作権管理だけでは立ち行かなくなってきている」と主張するのは、音声合成ソフトの「初音ミク」を開発したクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長です。「コンテンツを作っている人は、使うなら一言いってほしい、というのが本音。コンテンツを利用させてもらいます、ありがとう、と。それで、10円でも20円でも落ちればさらにいいですが」といいます。伊藤氏は、もっとライトに、互いが持っているコンテンツを流通できるシステムを作らなくては、と考えています。

 クリプトン・フューチャー・メディアは、ユーザーが集まって共同でコンテンツを作成する「ピアプロ」というサービスを提供しています。コンテンツを売買するまでに至っていませんが、コンテンツを中心にユーザー同士のコミュニティができあがっていたり、ユーザーが共同で何かを作成したりしています。サービスの中には、「著作権に触れる可能性のある作品について相談するスレ」があったり、と、ユーザー同士の自浄作用が見て取れるのも興味深いこと。試験的なサービスですが、「一人ひとりがプロシューマー(消費者「consumer」と生産者「producer」を組み合わせた造語)になってきていることを最近改めて実感する」という伊藤社長の思想が反映されたサービスです。

 今回のまぐまぐ!マーケットは、こうしたプロシューマーを手助けし、さらにそれを利用したい、試聴したいと思うユーザーにとってもありがたいサービスになり得ると感じました。このサービスが成長するかどうかは未知数です。ただ、可能性は感じました。著作権の問題は一筋縄ではいかない部分があり、今後も色々と壁にぶつかるでしょうが、筆者はこういったサービスの成長を今後も応援していきたいと考えています。