スポーツカーにすべての男子が憧れたのも今は昔。今の若年層はクルマを憧れの対象ではなく、実用的な移動手段の一つと考えることが多くなっているようだ。とはいえ、男子たるもの、一度ぐらいは自動車レースに興味を持ったことがあるのではないだろうか。
しかし、いくら興味を持ったとしても、実際に四輪のレースを趣味として楽しむとなれば、相応にお金がかかってしまうのも事実だ。自分の車でサーキットをスポーツ走行するだけでも、それなりに予算は必要だが、さらにレースに参加となると、とたんにハードルが高くなる。
ハードルが高くなるほど参加者の本気度はメーターを振り切らんばかりに高まり、結果として“楽しむ”よりも“競う”要素の方が強くなってしまう。
そんな中で、自動車レースとしては異例なほど、のんびりと大人の趣味として楽しめるレースがある。マッドハウスが主催する「K4-GP」だ。参加費、車両代は安く、誰でも手軽に、そして楽しく遊べる。そんな「K4-GP」に参加し始めた筆者に日経BPから、ひとつのオファーが届いた。
「君には才能がある。うちのチームで走らないか」
なんて話では(残念ながら)ない。筆者が参加しているチームが持つ“ある特徴”を生かして「連載をやってみないか?」というオファーだった。
などと気取って書き始めてみたが、実はそんなにカッコいいものじゃない。大人になっても、心のどこかに童心を残してしまったオヤジたちが、青春の残り香を探し、少ない余暇をありったけ注ぎ込み、そして楽しむ。そんなK4-GPの魅せられた、あるテクノロジージャーナリストのドタバタ劇だ。
