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 ある日、普段の運動を終えてケータイを開いてみるとメールが届いていた。

 タイトルは「同意確認通告」とあった。「通告」というただならぬ雰囲気のする単語に警戒し、メールを開いてみた。なお筆者はよくパソコンのメールをケータイから閲覧しているが、今回のメールは純粋にケータイに届いたメールだ。

 「この度、現在お客様ご使用中の携帯端末より……(略)……無料期間中に退会処理がされてない為に登録料金が発生し、現状未払いとなった状態のまま(略)」

 なっ。運動の爽快(そうかい)感が一気に吹き飛び、不快感に変わった。これは、いわゆる架空請求というやつではないか。

 正直に言うと、少しばかり動揺した。最初は怒りがこみ上げたが、後からわくわくした気持ちもこみ上げてきた。不謹慎ではあるが、珍しいものに遭遇できたからだろうか。もう、こんな詐欺まがいのメールなどケータイでは何年も目にしていない。

 とはいえ、無視すればいいだけのメールである。無視、無視。

 ところでなぜ届いてしまったのだろうか。筆者はスパム対策でケータイのメールはホワイトリストにしている。つまり、指定した相手からしか受信できないはずだ。

 ……と、思ったが、よく考えてみるとそうではなかった。しばらく前にホワイトリストをやめていたのだ。代わりに「URLつきのメールは拒否する」と設定していた。それだけでどのくらいスパムをストップできるか試していたのだった。だがそんなことすら忘れてしまうほど、設定したのは前だ。

 一人の事例だけで断定はできないが、「URLつきのメールを拒否する」という設定はかなり有効だと言える。スパムの目的を考えれば当然だ。ケータイに届くスパムの多くは何らかのWebサイトを開いてもらうためにある。ゆえにURLがなければ目的が果たせない。実際、筆者には一年間スパムが届かなかった。

 だが届いた。このメールにはURLがなかったからである。URLがないのなら、どこかのWebサイトを開くことはない。それなら一体、送信者は何が目的で送信したのだろうか。

 金銭の要求か? だが本文をよく見てみると、「ここにお金を振り込むように」という直接的な文言はない。滞納していることになっている(?)金額も明示されていないし、振込先も明示されていない。拍子抜けした。

 だが「早急に下記電話番号まで」連絡するようにとある。その後に「早期に清算をお願い」とあり、まずは電話をかけてもらうことが目的らしい。直接的な請求はしていないが、後で請求することをにおわせている。ここが微妙である。

 加えて悪質なのは、このまま放置すれば「住民票取得、身辺調査を開始いたします」とある。だから無視せず、電話しろというのだ。しかも放置すれば身辺調査に「同意したとみなす」とある。ずいぶんと勝手で一方的である。

 これは脅迫ではないだろうか。刑法222条の脅迫罪には「生命、(略)又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫(略)」とある。だが隣の223条の強要罪の方がよりふさわしそうだ。似た文言で始まり「人に義務のないことを行わせ」とある。身の覚えがない請求に対して、わざわざこちらから電話する義務があるだろうか。(法律の専門家ではないので定かではないが)