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 先日家族と北関東まで軽くドライブに出かけた。だが紅葉が目当てではなく、用事があったため。目的を済ませると、さっさと帰路についた。せっかくの行楽シーズンなのにとちょっと惜しい気もしたが。

 ガソリンが残りわずかだったので、高速に入る前に下道で安いガソリンスタンドを探した。だがどこもほぼ同じ値段。諦めて高い値段でガソリンを入れ、高速に向かった。日曜日だが夕方にさしかかっていたため、道が混んできた。

 途中で近年めっきり見かけなくなった、後部座席の背もたれが高く、排気音の大きなバイクの集団を見かけた。だが渋滞でもすり抜けをすることなく、車と同じペースでゆっくりと進んでいた。不思議なのどかさがあった。

 するとカーナビが抜け道を案内してくれた。国道を離れ、畑に囲まれた道を進む。赤信号で停車すると、背後から先のバイクの集団が見えた。彼らも抜け道を使うらしい。赤信号が青に変わる前に追いつかれそうだ。囲まれてしまうかも。

 なんて思っていたら、目の前の交差点を横切る車に横から別の車が衝突した。衝突で車が少し浮き上がり、ガシャン!とガラスの割れる音がした。横切る車の方はほぼノーブレーキで、衝突後は少し進路を変えたが、交差点の角にある縁石で止まった。もう一台の車は避けようとしたためか大きくカーブして止まった。

 一瞬「なぜ両方走っていたの?」と混乱したが、青信号で走行中の車に、筆者から見て対向車線を走る車が信号に気付かず衝突してしまったようだ。

 不幸中の幸いか、大けがをした人はいない様子。どちらの車からも人が出てきた。優先道路を走っていた方はショックのせいか顔面蒼白気味で具合が悪そうだ。筆者はケータイを出して110番にかけた。

 電話がつながると、ちょうど例のバイクの集団がすぐ後ろまで追いついた。そこで信号が青に変わり、集団は障害物を避けて交差点を通り過ぎていった。慌てる様子もなく、実に普通に。

 ただ集団の排気音が大きくて110番のオペレーターの声がよく聞こえない。だが最初に伝えるべきことは伝えた。「交通事故です。交差点で赤信号停車中に目撃しました。けが人がいる様子です」と。次にオペレーターは場所を尋ねた。ここではたと気付いた。

 ここがどこだか分からない!全く!

 たまたまカーナビが抜け道として案内してくれただけであり、これまで走ったことがない道だ。周りに何があるのかもよく把握できていない。慌てて信号を見上げると、信号には名前がついていない。しまった!と焦った。

 現在地が説明できないなんて、なんて役立たずな通報人だろう。通報したのを後悔したが、カーナビからおおよその住所や近くに学校があることなどを伝えた。

 少しやりとりをすると、先方は「国道沿いですか?」「近くにコンビニがありませんか?」と聞いてきた。だがどちらにも当てはまらず、「いいえ」と答えるのが精一杯。そうしているうちに、事故の当事者も通報をしていることが車内から見えた。

 オペレーターは「近くで似た事故の通報があるので、近所で通報している人が分かったらその人に名前を聞いてください」と指示してくれた。そこで車から出て通報している人から名前を聞き、同じ事件の通報だということが確認できたので電話を切った。