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 ヤフーの新CEOに、オートデスクの元CEOキャロル・バーツが決まった。ボーダフォン元CEOアルン・サリンや、イーベイの元CEOメグ・ウィットマンなどが噂されていたが、キャロル・バーツとは意外な展開だ。

 バーツは、シリコンバレーではよく知られた女性経営者である。いや、シリコンバレーを超えて、全米のメディアでも「最も影響力のある女性」とか「もっともパワフルなCEO」という称号を何度か受けている。

 意外というのは、彼女がインターネットとは無縁の世界の出身だからだ。Autodeskと言えば、建築家や建設業者が利用するデザイン・ツールのソフト開発会社。ヤフーですら、インターネット・ビジネスの新しい潮流についていけなかったのに、バーツで大丈夫か。

 私と同じように心配する声も方々で聞かれるが、彼女の実績は確かにヤフーの救世主としてふさわしいものでもある。オートデスクでCEOを務めた14年間、進路を誤って路頭に迷っていた同社を立て直して、売上高を5倍に、株価を10倍に引き上げたのである。ヤフーが必要としているリーダーシップをそなえた人物として、彼女を置いて他にはいないという判断を、ヤフーの役員会は下したのである。

 私自身はバーツに直接会ったことはないが、会った人はみな「インプレッシブ(強い印象を残す人)」とコメントする。前向きでユーモアのセンスがあり、だが、仕事の場では勝ち気で、男性が使うような四文字ことばをぶちまけて相手を飛び上がらせることもあるらしい。シスコシステムズCEOのジョン・チェンバーズは、「けんかする時には敵に回したくない相手」と、あるインタビューで語っている。

 今、出回っている写真では実に若く見えるが、年齢は60歳。オートデスクでCEOに就任した数日後に乳がんであることがわかり、たった1カ月間の休職後、闘病しながら会社立て直しを断行した。並みはずれの強者だ。

ヤフーの新CEOキャロル・バーツ氏。60歳にはとても見えないが、40代の時に乳がんの闘病歴があるそうだ
ヤフーの新CEOキャロル・バーツ氏。60歳にはとても見えないが、40代の時に乳がんの闘病歴があるそうだ