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 先日、J-WAVEのラジオ番組「Make IT21」に出演しました。世界に広がるコンサルティング会社を経営する傍ら、番組のパーソナリティをやるショーンKさんと、先日たまたまパーティでお会いしたのがきっかけだったのですが、すごく楽しい時間をすごしました。

 番組は生放送で、現場はきっとすごい状況なんだろうと想像していたのですが、何もかも整然と進んでいき、終わってみるとちゃんと1時間の枠の中ですべてが収まっていました。ブースにいたので直接は見えなかったのですが、ディレクターからの指示が時折入ってきており、そこでいくつもの判断や決断がものすごいスピードで行われているのがビンビン伝わってきました。混乱した興奮状態での進行ではなく、心地よい緊張感を伴った環境だったのが、印象的でした。

 収録後、雑談のなかでショーンさんにそのことを伝えたら「じっくり考える暇はなくて、反射神経で判断しないといけないからね。ボクサーが3分を体で覚えて判断するように、判断するんだ」という話になりました。そしてこの判断力を鍛えるには、訓練しかないということでした。

収録後、ショーンKさんと記念撮影。僭越ながら、僕の書籍を持っていただきました……
収録後、ショーンKさんと記念撮影。僭越ながら、僕の書籍を持っていただきました……

ラジオのスタッフはさすがに手馴れたもの。プロの仕事術を間近に見ました
ラジオのスタッフはさすがに手馴れたもの。プロの仕事術を間近に見ました

 松竹芸能という会社でお笑い芸人と話していても同じことを感じます。じっくり考えて判断するのでは遅い。反射神経で対処できないといけないのですが、この脳の使い方が、じっくり考える場合とまったく異なっているんですね。そこには当然、「瞬時に」という時間の感覚が強く反映しています。

 禅に興味を持ったとき、松岡正剛さんに「禅とクリエイティビティ」の関係性について聞いたら、「禅の思考は超高速なんだ」という返答をもらったことがあります。ここでもまた、思考のスピードがでてきます。このスピードを実現するために禅では、ロジックで物事を考えない、直感で捉えるという方法をとります。禅問答による訓練はそのひとつの例です。

 とすると、たとえばロジカルシンキングを鍛えると、かえってスピードが落ちるということもあります。「正しいことを言おう」と思って口ごもってしまうことが誰しもあると思いますが、正しいということを判断するためには、ロジックを精査しなければなりません。そうするととたんに、スピードが落ちるのです。

 そこでロジックではない別のプロセスを起動する必要があるのです。それがラジオのパーソナリティやお笑い芸人であれば「反射神経による判断」ということになるのです。

 その反射神経による判断を鍛えるには……。芸人に言わせると「現場の数」であり、短時間の判断が求められる場所に自分を置くことが、一番の近道のようです。習うより慣れろ、文字通り、これしかないのですね。